ドバイ：イランのイブラヒム・ライシ大統領は日曜日、米国の制裁により日本で凍結されているイランの資金を凍結解除するよう求めた。イラン国営テレビがイラン訪問中の日本の外務大臣とライシ大統領の会談内容として伝えた。

イランの銀行・エネルギー部門に対して米国が発動した制裁により、海外の銀行にある主に石油とガスの輸出で得た数百億ドルのイラン資産が凍結されている。これらの資金には日本の銀行にある30億ドルが含まれている。

この制裁は、イラン政府と6つの大国による2015年の核合意から離脱した米国政府が2018年に再び発動した。

ライシ氏は、2日間の訪問のため日曜日遅くにテヘランに到着した茂木敏充氏との会談で、「日本との関係改善はイランにとって非常に重要だ。日本の銀行にあるイラン資産の凍結解除の遅れは正当化されない」と述べた。

イランと6か国は、核合意の再建に向けて4月から協議を続けている。核合意では、イラン政府が制裁の緩和と引き換えに、核開発計画に制限を加えて核兵器用核分裂性物質の入手を困難にすることに合意していた。イラン政府は核兵器保有の意図を否定している。

しかし、イランと西側諸国の政府関係者は、核合意の再建には大きな溝が残っていると述べている。

ウィーンで行われたイラン政府と米国政府の第6回間接協議は、強硬派の聖職者であるライシ氏がイランの大統領選挙で勝利した2日後の6月20日に終了した。

イランと6か国は現時点で交渉再開の時期を発表していない。

この件に詳しい関係者によると、議会の信任を受けるために閣僚名簿を提出したライシ氏は、ウィーンでの交渉で「強硬路線」をとると考えられている。

アヤトラ・アリ・ハメネイ師と同様、ライシ氏はウィーンでの核協議を支持している。

イランの国営メディアによると、ライシ氏は日本の茂木外相に対し、「イランは交渉するという原則に何の問題もない。米国がイランに対する制裁を続けている正当な理由は何なのか」 と語った。

2019年、イランのハメネイ師は、日本の安倍晋三首相がテヘランに持ってきた当時のドナルド・トランプ米大統領からのメッセージに答えることを拒否した。また、オマーン湾でのタンカーへの攻撃が、安倍氏による平和構築のための訪問に影を落とした。攻撃を受けたタンカーの1隻は日本のものだった。

ロイター通信