• 十分な抗体を保有する子供は、新型コロナ感染者と接触していても隔離を強制されない予定だ。新学期の混乱を抑えることを目指す措置だ。

テルアビブ：イスラエルは3歳以上の子供を対象に抗体検査を開始した。新学期を前に、コロナウイルスに対する抗体を獲得したワクチン未接種の子供の人数に関する情報を把握するのが狙いだ。

イスラエルでは感染力の強いデルタ株の影響で、1日当たりの新規感染者数が急増している。だが、政府は学校閉鎖に伴うさまざまな困難や、学習の遅れを何とかして避けたい考えだ。

イスラエルでは12歳以上へのワクチン接種はすでに始まっている。

今回の全国的な血清学的調査は、まだワクチン接種の対象になっていない3歳～12歳未満の子供約150万人が対象。教育省によると目的は、報告されていない感染例や無症状感染などでコロナウイルスに対する強力な抗体を獲得した子供の人数を把握することだ。

十分な抗体を保有する子供は、新型コロナ感染者と接触していても隔離を強制されない予定だ。新学期の混乱を抑えることを目指す措置だ。

エルサレム市が22日に出した、イスラエルの「最大の血清学的調査」を発表する声明で、エルサレム市のモシェ・レオン市長は、針で指を刺す15分の無料検査に子供を連れてくるよう保護者に呼び掛けた。

今回の調査は保健省、教育省、イスラエル国防軍の民間防衛軍が共同で実施する。民間防衛軍は22日、AFP通信に対し、抗体検査の作業が始まったことを明らかにした。

主に超正統派ユダヤ人コミュニティーで先週実施された試験的プログラムでは、約5分の1の子供が抗体を獲得していたことが判明した。軍のラジオが22日、報じた。

教育省のイガル・スロビク局長は先月出した声明で、昨年の学校閉鎖は生徒に「精神的、社会的損害」を与えたと述べた。

いくつかある影響の中で特に、「ロックダウンと遠隔学習により、自殺リスク診断の照会が44％増加した」と同氏は述べた。

イスラエルは、有効性に関するデータを共有する代わりに数百万回分のワクチンを有償で入手することでファイザー社と合意し、12月中旬にワクチン接種運動を開始する最初の国の一つになった。

ワクチン接種運動は感染症を激減させるのに役立った成功例として評価されたが、イスラエルでは再び1日当たり数千人の感染者が登録されている。

血清学的調査を開始すると同時に、イスラエルはワクチン接種も推進している。40歳以上の全ての人に3回目の接種（ブースター接種）を提供し、未接種者に接種を受けるよう呼び掛けている。

イスラエル国民約930万人のうち、540万人以上が2回のワクチン接種を受け、120万人が3回目の接種を受けている。

イスラエルでは、昨年初めにパンデミックが始まって以来、コロナウイルス感染者約98万人と死者6700人以上が記録されている。

AFP