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ライシ大統領 経済・コロナ危機はイランに「ふさわしい状態ではない」

イラン議会はライシ大統領が提出した閣僚候補をほぼすべて承認し、6月に選出された新大統領は本格的に政権を始動させることとなった。(AFP)
イラン議会はライシ大統領が提出した閣僚候補をほぼすべて承認し、6月に選出された新大統領は本格的に政権を始動させることとなった。(AFP)
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27 Aug 2021 04:08:58 GMT9
27 Aug 2021 04:08:58 GMT9
  • イランは中東でも最悪の感染状況にあり、感染第5波に見舞われ、1日の死者数は記録を更新している

テヘラン:イランのイブラヒム・ライシ大統領は26日、現在の状況はイランにとって「ふさわしい状態ではない」として、制裁により悪化している経済状況を改善し、新型コロナウイルス対策を強化することを誓った。

この発言はライシ大統領が開いた最初の閣議でのもので、イラン議会は25日に新内閣を承認した。

議会は超保守派のライシ大統領が提出した閣僚候補19人のうち、18人を順次承認した。

教育相のみ承認されておらず、大統領はこのポストに新たな候補を選出する必要がある。

ライシ新大統領は8月初めに議会で就任を宣誓したが、25日の議会の投票までは旧政権が行政を担ってきた。

全員男性の保守強硬派で固めた閣僚候補が信任されたことで、ライシ氏は大統領としての第一歩を踏み出せることとなった。

ライシ大統領は「この国の現在の状況はイランという偉大な国家にとって、ふさわしい状態ではない。必ず変えていかなければならない」と演説し、その様子はテレビで生放送された。

また、イランは特定の分野において「非常に停滞している」と述べたうえで、政府の優先事項として、新型コロナウイルス感染拡大防止とインフレの沈静化、および「国民生活の向上」を挙げた。

最高指導者のアリー・ハメネイ師が絶対権力を持つイランにおいて、ライシ大統領は前政権時代から続く困難な社会経済状況に直面している。

超保守派のライシ大統領は、有力な対立候補を欠き、過去最低の投票率となった6月18日の大統領選挙で選出された。

2018年に米国のドナルド・トランプ大統領がイラン核合意から離脱し、米国政府が再び制裁を課したことで、イランは経済的苦境に陥った。

すでに深刻な状況にあった経済危機は新型コロナウイルスの感染拡大により、一層厳しさを増した。

イランは中東でも最悪の感染状況で、現在は最も深刻な感染第5波に見舞われており、今月に入って1日当たりの死者数および感染者数は数度にわたり過去最高を記録している。

イランは24日、1日の死者数の記録を更新し、保健省によれば、24時間で709人が死亡した。

公式の統計によれば、イランの人口8300万人のうち、2回のワクチン接種を終えた人は650万人に満たない。

米国の厳しい制裁により海外送金が困難となり、ワクチン輸入が妨げられているとイランは主張している。

ライシ大統領はこれまでも「必要な取り組みは行われていたが十分ではなかった」として、詳細は明らかにしなかったが、ワクチン輸入の拡大と現地生産の増加を誓った。

当局は2種類の国産ワクチンの緊急使用を承認したが、そのうち唯一の大量生産製品である「COVIran Barekat」も不足している。

4月にウィーンで開始されたイラン核合意の再建を図る協議について、欧米関係各国、ロシアおよび中国は、協議再開に向けたイランのあらゆる兆候を見逃さないよう注視を続けている。

関係各国は6月後半に、次回ラウンドを開催することで合意していたが、今も協議は再開されていない。

当選後の6月20日、ライシ大統領は単なる「交渉のための」交渉に同意することはないと明言した。

しかし同時に「国益が保証される交渉は支持する」とも述べている。

ホセイン・アミラブドラヒアン新外相は25日、就任後に投稿したメッセージで重要懸案として幾つかの問題を列挙したが、核合意については言及しなかった。

「近隣諸国とアジアが最優先だ」とツイートしている。

ライシ大統領はこれまでに4人の副大統領を任命している。その中には、革命防衛隊の元司令官で大統領選候補の1人だったモフセン・レザイ氏がおり、経済担当の副大統領として起用された。

AFP

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