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シリア軍、反乱の発祥地で反体制派を爆撃

2021年8月26日にSANAが公開した写真。シリアのダラアで反体制派とその家族がバスで移動する。(SANA/ロイター経由)
2021年8月26日にSANAが公開した写真。シリアのダラアで反体制派とその家族がバスで移動する。(SANA/ロイター経由)
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30 Aug 2021 04:08:15 GMT9
30 Aug 2021 04:08:15 GMT9
  • 爆撃を受けたダラア中心部の複数の家屋から6人の遺体が運び出されたと住民たちが語った

アンマン:住民の報告によると、シリア軍が29日、ダラア市南部にある反体制派の最後の拠点を爆撃し、少なくとも6人が死亡した。シリアの反乱発祥地を包囲する攻撃としては最も多くの死者を出した。

シリア軍はこの報告に関するコメントを控えたが、この地区の住民を「テロ武装組織」と呼び、我慢の限界を超えつつあると声明で述べた。

政府軍がヨルダンとの国境地域の大部分を奪還して3年が経過し、イラン派民兵の支援を受けているシリア軍の最精鋭師団が、最後に残る反体制派を降伏させるためにダラア・アル・バラドへの食糧や燃料の搬送を遮断していた。

「彼らはいわゆる『像のロケット』を無差別に使用している」と地元政府関係者アブ・ジェハード・アル・ホラニ氏は、即席ミサイルに言及しながらロイターに語った。背後では爆発音が鳴っていた。

ダラア地域中心部の爆撃を受けた複数の家屋から、6人の遺体が運び出されたと住民たちは語った。この地域は2011年に、バッシャール・アサド政権への平和的な抗議活動が最初に発生した場所だった。

シリア軍の中でも、イランが資金提供する国内民兵組織から支援を受けている親イラン派の第4機甲師団が、この南部地域の主力軍であり、同師団は2ヵ月前からこの拠点を包囲していた。

現地の政府関係者、住民、一部の軍関係者らは匿名を条件に、今回の攻撃は、全力戦を回避しながら膠着状態の解決を図るロシアの努力を損なおうとするものだと語った。

地元戦闘員と政府軍司令官らと協議していたロシア軍司令官は、8月14日、住民に報復措置をしないとの保証を与え、元反政府派にはシリア北西部の反政府地域へと安全に退去する道を妨害しないとの条件で、軍の進入を許可するという計画を発表した。

2018年、シリア軍は、ロシア空軍とイラン派民兵の支援を受け、イスラエルのゴラン高原とも国境を接する南部地域を奪還した。

当時ロシアは、イスラエルと米国に対し、イランを後ろ盾とする民兵組織がこの地域に勢力を拡大するのを阻止することを約束した。

この取り決めにより、欧米を後ろ盾とする数千人の反体制派は重火器を引き渡すことを余儀なくされたが、政府軍は、反体制派が行政を掌握したままのダラア・アル・バラドへは進入することができなかった。

「子供たちの負傷はロシアの責任だ。この戦争は、イランが我々に課したもので、ロシアがそれを監視しているのだ」と高齢のアブ・ユセフ・アル・マサルメイ氏は述べた。

米国を始めとする西側列強国は、アサド政府軍のダラアにおける軍事行動への懸念を表明し、国境付近のイラン派民兵たちの活動を制限して安定維持に努めるとしたロシアの公約が試されていると述べた。

ロイター

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