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イスラエルの大臣がパレスチナの指導者と異例の会談を行うため、ラマッラーを訪問

パレスチナのマフムード・アッバス大統領(左)とイスラエルのベニー・ガンツ国防相が異例のハイレベル会談を行った。(資料写真/AFP通信)
パレスチナのマフムード・アッバス大統領(左)とイスラエルのベニー・ガンツ国防相が異例のハイレベル会談を行った。(資料写真/AFP通信)
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31 Aug 2021 07:08:40 GMT9
31 Aug 2021 07:08:40 GMT9
  • イスラエルは財政危機緩和のため、パレスチナ自治政府に1億5500万ドルを融資へ 会談はイスラエル首脳のホワイトハウス訪問に続くもの

ダウド・クッターブ

アンマン:イスラエルのベニー・ガンツ国防相は、6月のイスラエルの新政権発足以降では最高レベルの会談となるパレスチナのマフムード・アッバス大統領との会談を行うため、ラマッラーを訪問した。

この会談は、先週ホワイトハウスでイスラエルのナフタリ・ベネット首相と会談したジョー・バイデン米国大統領の要請により実現したものと考えられている。

会談には、被占領地パレスチナ自治区の民政を担当するイスラエル軍支部の責任者のガッサン・アリアン氏、パレスチナ自治政府高官のフセイン・アル・シェイク氏、パレスチナ情報機関のマジド・ファラジ長官も参加した。

アッバス氏とガンツ氏は、イスラエルの法的義務と誓約について話し合ったと、パレスチナ政府高官筋がアラブニュースに語った。「我々は、2000年10月以前のように国境検問所にパレスチナ治安部隊を再配備すること、ガザの空港の再開、ガザとヨルダン川西岸地区の間の移動の自由や家族の再会を認めること、イスラエルが我々に対して負っている多くの財政的義務の解決、そして占領地の全ての場所での建設権などを要求している」と、同関係筋は語った。

「我々は、イスラエルの義務に対して、いかなる譲歩もする義務はない。これらの義務は、米国の立会の下で署名された合意に含まれるものだ」。

PLO執行委員会の元委員であるハナン・アシュラウィ氏は、アラブニュースに対し、この会談は経済協力とパレスチナ自治政府の安全保障上の役割の維持に焦点が当てられたと述べた。「これは政治的なものではなく、パレスチナ自治政府の機能的役割を強調することで、イスラエル国益に資するよう占領を操作しているのだ」と、同氏は語った。

パレスチナパレスチナ民族評議会・パレスチナ中央評議会の議員であるナジーブ・カッドゥーミー氏は、アラブニュースに対し、会談のタイミングは、動きがあったと誤った印象を与えることを目的としているが、実際には実質的に何も変わっていないと述べた。

「彼らは相変わらず安全保障の観点からパレスチナ人を見ており、民族の権利や民族自決権の観点からは見ていない」と、同氏は述べた。

カッドゥーミー氏は、パレスチナ人と世界はバイデン政権に真剣な期待をすべきではないと述べた。「確かに彼はトランプとは違うが、入植地やエルサレムに関してパレスチナ人に何も与えておらず、二国間解決の考え方にリップサービスをしているだけだ」。

パレスチナの交渉団の元法律顧問であるディナ・ブットゥ氏は、次のように述べた:「方程式はいつも同じだ。占領された側は、占領した側に戦争犯罪を行うための安全な空間を与えなければならない。その見返りとして、我々はパンを得られる、ということだ」。

アメリカン・セキュリティ・プロジェクトのシニアフェローであるファディ・エルサラーメーン氏は、会談は、ヨルダン川西岸地区の統治者としてのアッバス氏の立場を強化する戦略の一環であり、イスラエルの支援を得ることで、アッバス氏が自身とイスラエルのために事態をどうにか好転させることができるのではないかと期待してのことだと述べた。「常識のある人なら、これは失敗戦略だとわかるだろう」と、同氏は述べた。

「アッバス氏の指導者としての未来はもうない」

会談後、イスラエルはパレスチナ自治政府の財政危機を緩和するために、1億5000万ドル以上を融資すると発表したが、アナリストらは、イスラエルが事実上パレスチナ人にパレスチナ人のお金を貸し出すことになると指摘した。先月、イスラエル政府はパレスチナ自治政府に代わって徴収した2020年の税収から1億8000万ドルを差し引いていた。

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