• 英国は、今回の処刑には「人間の尊厳に対する無関心と、公正な裁判と適正な手続きに対する露骨な軽視」が表れていると述べた
• フーシ派の外務省はこの批判を「内政干渉」とはねつけ、国連や西側諸国が「アラブ連合軍の犯罪」に目をつぶっていると非難した

アデン：EUは20日、イランと協力関係にあるイエメンのフーシ派が9人の男性を処刑したことについて、国際的な批判の声に加わった。9人の男性は、フーシ派の政治指導者が殺害された事件に関与したとして有罪判決を受けていた。

イエメン北部の大部分を支配するフーシ派政権の大統領を務めていたサレハ・アル・サマド氏は2018年4月、イエメン西海岸の港湾都市ホデイダを訪問中にサウジアラビアが主導するアラブ連合軍の空爆によって殺害された。

フーシ派の裁判所は9人の男性を、諜報活動への従事とサウジアラビアが主導するアラブ連合軍との間で機密情報を共有した罪で有罪とした。9人のうち1人は逮捕時に未成年だった。18日、9人の男性に対して銃殺刑が執行された。

死刑執行の写真や動画はソーシャルメディアで広く共有されており、サヌアの中央広場で軍人が9人の背中を撃つ様子が映っている。

EUの報道官は、死刑執行を非難する声明の中で司法手続きの不正や虐待の疑惑も報告されていると述べた。

EUの報道官は声明で、「EUはいつでも、どのような状況でも死刑制度に強く反対する。死刑は残酷で非人道的な刑罰だ」と述べた。

これに先立ち、国連のアントニオ・グテーレス事務総長も死刑制度に反対する同様の声明を発表した。グテーレス事務総長はまた、イエメンにおける死刑制度の一時停止と、交渉による紛争の平和的な解決を求めた。

在イエメン米国大使館は、一連の出来事をフーシ派による「長年にわたる拷問と虐待に続く、見せかけの裁判」と呼んで非難した。英国は、今回の処刑には「人間の尊厳に対する無関心と、公正な裁判と適正な手続きに対する露骨な軽視」が表れていると述べた。

フーシ派の外務省はこの批判を「内政干渉」とはねつけ、国連や西側諸国が「アラブ連合軍の犯罪」に目をつぶっていると非難した。

サマド氏は、数年間にわたり続く戦争でアラブ連合軍によって殺害された最も序列の高い幹部だった。フーシ派はこの戦争で南部の港湾都市アデンに拠点を置く国際的に承認された政府に忠誠を誓う勢力と戦っている。

ロイター