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イラン:流行の発生源コムで新型コロナウイルスが猛威を振るう

パンデミックの影響を最も受けた中東の国であるイランでは、累計550万人の新型コロナウイルス感染者が確認されている。(AP)
パンデミックの影響を最も受けた中東の国であるイランでは、累計550万人の新型コロナウイルス感染者が確認されている。(AP)
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27 Sep 2021 08:09:40 GMT9
27 Sep 2021 08:09:40 GMT9
  • イランでは8,000万人の国民が新型コロナウイルスワクチンを接種しているが、コムではまだ多くの人がワクチンを接種していない。

イラン、コム: イランのイスラム教シーア派聖地コムでは、シーア派の学者が学び、天国への玄関口と信じられている聖廟に巡礼者が訪れる。コムはイラン国内のコロナ感染流行の発生地であり、感染流行は現在も続いている。

イラン当局によると、イランでは8,000万人の国民が新型コロナウイルスワクチンを接種しているが、コムではまだ多くの人がワクチンを接種していない。州保健局のモハマッド・レザ・カディール局長によると、最近では、3万人の定員のうち、毎日1万7千人しかワクチン接種を行わない週もあった。

その理由の一つは、宗教上の理由で躊躇している人がいることである。新型コロナウイルスの感染拡大が始まった当初、宗教指導者らは、人混みが多く、換気の悪い場所でコロナウイルスに感染する危険性があるにもかかわらず、聖廟や聖地を閉鎖することに消極的であった。

一時的に閉鎖された聖地もあったものの、その後再開され、新型コロナウイルスのパンデミックにより度重なる打撃を受けた後でもなお、閉鎖されなかった。パンデミックの影響を最も受けた中東の国であるイランでは、累計550万人の新型コロナウイルス感染者が確認されている。また、11万9,000人以上の新型コロナウイルス死亡者が確認されており、イラン国内の墓地はひっ迫している。当局によると実際の死亡者数は、この数よりはるかに多いと見ている。

コム内にあるBehesht-e-Masoumeh墓地には、何千人もの遺体が埋葬されている。同墓地では毎日、遺族が泣きながら、伝統的な覆いに包まれた愛する人の遺体を埋葬している姿がみられる。通常、すべての遺体のため新しく埋葬用の墓を掘り、遺体を地中深くに埋葬する。

多くの病院は感染者で溢れかえり、中には治療のための人工的な昏睡状態となっている患者もいる中、イラン当局は国内の新型コロナウイルスの第6波が来る可能性を警告している。

イラン国内で最初に新型コロナウイルス感染が流行したのは、テヘランの南西125kmに位置するコムであった。イラン当局によると、2019年に新型コロナウイルスが最初に確認された中国の武漢省から帰国したイラン人のビジネス渡航者が感染し、そこから感染が広がったものだとみている。

コムのシーア派神学校には、多くの中国人学生が学んでいる。また、コムには中国企業が27億ドルを投じて建設する高速鉄道路線や、中国が建設を支援する太陽光発電所の近くに位置している。

しかし、コムが新型コロナウイルスの感染流行の発生地であるかに関係なく、コロナはまだコムで猛威を振るっている。

AP

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