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国連リビア支援団をめぐる安保理の紛糾が続く

UNSMILの改革案は、常任理事国であるフランス、米国、英国の支持を得ているが、ロシアには拒否されている。(Shutterstock)
UNSMILの改革案は、常任理事国であるフランス、米国、英国の支持を得ているが、ロシアには拒否されている。(Shutterstock)
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01 Oct 2021 05:10:19 GMT9
01 Oct 2021 05:10:19 GMT9
  • 任期は2022年1月末まで延長されたが、改革案や外国軍の対処については意見が割れる
  • 「支援団の再構築の失敗は、リビアの安定化に向けた我々の努力を台無しにすることを意味する」と米国

クリストファー・ハミル・スチュワート

ニューヨーク:安全保障理事会のメンバーは12日、リビアにおける国連の任務を2022年1月末まで再び延長した。

しかし、米国と英国を含む常任理事国は、国連リビア支援団(UNSMIL)の見直しについて合意に至らなかったことに不満を表明している。当支援団は、リビアにおける諸外国の軍事介入に対し、それらの撤退交渉を促進するため、同国に物理的な存在感を示すことを目的として設立された。

現在、国連のリビア担当官はジュネーブに常駐している。しかし、国連事務総長は8月、UNSMILにトリポリを拠点とする特別代表を任命し、現地の関係者との連携を強化するよう勧告した。

同国内でのプレゼンスを示すことで、国連は、12月24日に行われる選挙を前に、長引く紛争の主要な要因となっている外国軍の撤退に関する交渉を強化することが可能になる。この選挙は、2020年に内戦の両陣営による「脆い」停戦合意が成立して以来、初めての投票となる。

UNSMILの改革案は、常任理事国であるフランス、米国、英国の支持を得ているが、ロシアには拒否されている。

英国は、UNSMILの最高責任者をジュネーブからリビアに移すことを支持するよう理事会に働きかけていた。しかし理事会ではこの実行に関する草案が採択されず、英国は木曜「遺憾である」と述べた。

リビア国民軍と国民合意政府の間で交わされた停戦の条件は、双方、そしてその国際的な支援者が外国軍の撤退方法について合意できなかったため、まだ完全には実施されていない。

ロシアは木曜日の会議で、リビアへの支援団の移動は、12月の選挙後にすべきだと述べた。

ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は、リビアは12月の選挙に向けて「非常に敏感で重要な」時期にあり、UNSMILの再編成は「国民にとって非常に重要である、国内の選挙プロセスの終了時に実施するのが最善であろう」と述べた。

米国は、UNSMILに関する現状の延長以上の合意を得られなかった理事会を強く非難した。

「今回の決定は、特にリビアの人々にとって不幸な結果であり、安全保障理事会にとっても不幸な結果である」とリチャード・ミルズ国連大使代行は述べた。

「UNSMILの再構築の失敗は、リビアの安定化に向けた我々の努力を台無しにすることを意味する」と付け加えた。

「今回の安保理の結果に関わらず、米国は12月24日に行われる国民選挙に向け、リビア国民を固く支援する」

ミルズ氏はまた次のように述べている。「国連加盟国は、12月24日の自由で公正な選挙の実現のサポートを含め、リビア領内からすべての外国軍と傭兵を遅滞なく撤退させるなど、リビア内戦の政治的解決を進めるためのあらゆる努力を惜しんではならない」

リビアは、長年の独裁者であったムアンマル・カダフィ大佐をNATOの支援により国民が打倒して以来、10年に及ぶ不安定な内戦に巻き込まれてきた。

2012年、リビアではカダフィ大佐失脚後初の自由で公正な選挙が行われたが、カダフィ時代の政府関係者や団体の役割をめぐる意見の相違が、最終的には新たな内戦を引き起こした。

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