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ヨルダン国王、アサド氏から2011年以来初の電話を受ける

ヨルダンのアブドッラー2世国王が3日、シリアのバッシャール・アサド大統領からの電話を受けた。(写真資料はAFPより引用)
ヨルダンのアブドッラー2世国王が3日、シリアのバッシャール・アサド大統領からの電話を受けた。(写真資料はAFPより引用)
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04 Oct 2021 01:10:16 GMT9
04 Oct 2021 01:10:16 GMT9
  • ヨルダン国王は同国が、シリアの主権、領土の統一、安全を保障するための努力を支持することを表明
  • 電話会談はシリア内戦の勃発以後初。当時、ヨルダンはアサド政権に反対していた

レイド・オマリ

アンマン:ヨルダンのアブドッラー国王とシリアのバッシャール・アサド大統領が2011年のシリア内戦発生後初めて、両国関係についての会談を行った。

ヨルダン王宮府は3日、アブドッラー国王がアサド氏から電話を受け、その中で両首脳は友好国である2国間関係と、協力を強化する方法について協議したと、手短な発表で述べた。

国王は、シリアの主権、領土の統一、安全の保障に対するヨルダンの支持を表明した。

両者の電話会談はシリア内戦勃発後初めて。内戦発生時、米国の主要同盟国であるヨルダンは、近隣国と一緒にアサド政権に反対した。

内戦勃発後7ヶ月が経った2011年11月に行われたBBCとのインタビューで、アブドッラー国王はアサド氏に対し、シリアの国益のために退陣するよう要求した。

約65万人のシリア難民を抱えるヨルダンは最近、シリアとの関係改善に向けて動き出した。

両国の政府高官級代表団はここ数週間、ニ国の関係強化に向けた会議を定期的に開催してきた。

シリアの国防長官で陸軍のトップでもあるアリ・アユブ氏は最近、アンマンでヨルダン軍の参謀長、ユーセフ・フネイティ将軍と会談した。

またヨルダンは先週、シリア南部・ダルアー県での戦闘発生を受けて2ヶ月ほど前に閉鎖されていた、シリアと国境を接するジャベール・ナシーブ検問所を再開した。

ヨルダンの元メディア担当大臣、サミフ・マーイタフ氏は、シリア内戦後、ヨルダンは一貫して「実利的」な立場を維持しており、北方の隣国で10年以上続く紛争について、政治による包括的解決を支持していると説明した。

「ヨルダンは常に、シリアが崩壊し混沌状態と化すことを懸念してきました。もしそうなると、甚大な影響を及ぼすことになるからです」と、マーイタフ氏は述べた。

「それが、ヨルダンがシリアに対して維持してきた公的な立場でしたが、シリアの新たな現実、つまり主にアサド政権による軍と政治の勝利によって、ヨルダンも方針転換をしてシリア政権、シリア軍との関係改善に舵を切ることを余儀なくされたのです」

政治アナリストのカレッド・クダフ氏は以前、アラブニュースに対する発言の中でこう述べていた。「統一され安定したシリアというのは、ヨルダンにとっての重要な国益の中心にあるのです」

「ヨルダン政府の戦略的目標は、シリア政府をアラブ世界へ戻すことです。ヨルダンはシリアに、敵ではなく友人になってもらいたいのです」

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