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米国の政治家がイラン大統領を人道に対する罪で起訴することを要求

イランのイブラヒム・ライシ大統領(AFP)
イランのイブラヒム・ライシ大統領(AFP)
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29 Oct 2021 05:10:46 GMT9
29 Oct 2021 05:10:46 GMT9
  • マイク・ペンス元米副大統領は首都ワシントンで行われたサミットにて、このように述べた。「悪を前にした時、我々は決して沈黙してはならない。今日の参加者の多くは、イブラヒム・ライシ氏がいかに邪悪な人物であるかをよく知っている。」
  • イラン国民抵抗評議会の次期議長はこのように述べた。「イランの人々と、イランの人々の変化を求める思いに国際社会が寄り添うべき時がきた。」

レイ・ハナニア 

シカゴ米国連邦議会の元議員数名は、イラン国民抵抗評議会(National Council of Resistance of Iran、NCRI)が主催するサミットにおいて、1988年に3万人の政治犯大量虐殺に関与したイランのイブラヒム・ライシ大統領を、人道に対する罪で訴追することを支持した。

8月にイラン大統領に就任したライシ氏は、過去に人権侵害や戦争犯罪で告発されたイスラム革命防衛隊の幹部の多くを自身の内閣に集めている。NCRIの関係者によると、イラン政権の19人の閣僚のうち、約3分の2が米国からテロ組織と認定されている革命防衛隊の退役軍人だという。

マイク・ペンス元米国副大統領は、ジョセフ・リーバーマン元上院議員、ロバート・トリチェリ元上院議員、マイケル・ムケイシー元司法長官、退役軍人のジェームズ・コンウェイ氏とともに、ライシ氏の起訴を要求した。

アラブニュースも参加した、首都ワシントンのヒルトンホテル内のグランド・ボールルームで開催されたサミットにおいて、ペンス氏は約1000人の聴衆に向かって、「最近、イブラヒム・ライシ氏がイラン大統領に就任したことは、イラン政権の弱さと絶望感が増していることの表れだ」と述べたうえで、このように語った。

「ライシ氏が大統領に選ばれたのは、イラン国内の反対意見を封じ込め、イラン国民を脅して黙らせるためである。しかし、我々は悪の前で決して沈黙してはいけない。今日の参加者の多くは、イブラヒム・ライシ氏がいかに邪悪な人物であるかをよく知っている。」

ペンス氏は、ドナルド・トランプ前大統領がイランの核開発を阻止するためにとった行動を擁護し、ジョセフ・バイデン大統領の「JCPOA(イラン核合意とも呼ばれる包括的共同行動計画)への再参加、米国の同盟国であるイスラエルの放棄、アフガニスタンからの悲惨な撤退」を批判した。

ペンス氏は、バイデン氏の行動がイランを刺激し、イエメンのフーシ派やイラク、シリア、レバノンなどの代理組織を通じたテロ攻撃を拡大させていると指摘した。

NCRIの次期議長であるマリアム・ラジャヴィ氏は、サミットの冒頭で、イランによる核兵器開発の試みや、テロ攻撃のための無人機兵器の開発、地域全体のテロ組織への資金提供などを非難した。

ラジャヴィ氏は、「国際社会が、イランの人々と、イランの人々の変化を求める思いに寄り添うべき時がきた」と述べ、このように語った。

「イラン国民は、変革への要求と決意を明確に示した。彼らはライシ氏による現体制を全面的に否定している。」

「そして、米国や欧州諸国の政府を含む各国政府に対し、対イラン政策を見直し、イラン国民に寄り添うことを求めているのだ。イラン核問題について、イラン政府による違反行為を無視する各国政府の政策を放棄する時がきたのだ。」

また、ラジャヴィ氏は、ライシ大統領を含むイランの政府高官に責任を負わせることを求めた過去の決議を復活させ、決議内容を実施するよう国連に求めた。

さらにラジャヴィ氏は、「イランの人々は、国際社会がイブラヒム・ライシ氏を虐殺と人道に対する罪で国際法廷に起訴することを期待している」とし、「ライシ氏は大量殺人犯であり、今すぐに起訴されなければならない」と語った。

1988年の夏、イラン政権は、反体制派武装組織のモジャーヘディーネ・ハルグ(MEK)に属する政治犯の90%にあたる3万人を秘密裏に大量処刑した。

NCRIの関係者によると、ライシ氏は当時、この死刑を取り仕切った「死の委員会」と呼ばれる4人の司法官の1人だった。

2018年12月、アムネスティ・インターナショナルは、1988年のこの大量虐殺を 「現在進行形の人道に対する罪」とする包括的な報告書を発表した。 また、第117回米国連邦議会においても、250人の共同提案者を得た下院決議118号で、この虐殺を「人類に対する犯罪」と表現し、説明責任を求めた。

大統領に選出された後、バイデン氏は2015年のJCPOAへの再参加に向けてイランとの交渉を再開した。イランと米国をはじめとする諸外国との間で結ばれたこの核合意は、イランに対する制裁緩和と引き換えに、イランの核開発活動に制限を加えるものあった。しかし2018年、トランプ前大統領はこの核合意への米国の参加を撤回し、イランに対する制裁を復活させた。

NCRIの指導者らとその同盟国は、イランが核兵器開発の取り組みを続ける一方で、JCPOA交渉を隠れ蓑や注意をそらすために利用していると主張している。

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