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湾岸諸国との関係悪化の中 レバノン首相がCOP26のサウジ パビリオン訪問

英グラスゴーで開催の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で、英国のボリス・ジョンソン首相(左)および国連のアントニオ・グテーレス事務総長と挨拶するレバノンのナジーブ・ミカティ首相。2021年11月1日。(AP写真)
英グラスゴーで開催の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で、英国のボリス・ジョンソン首相(左)および国連のアントニオ・グテーレス事務総長と挨拶するレバノンのナジーブ・ミカティ首相。2021年11月1日。(AP写真)
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03 Nov 2021 03:11:15 GMT9
03 Nov 2021 03:11:15 GMT9
  • 親フーシ派発言をめぐる問題で、情報相は辞任を拒否
  • 経済界はレバノン・サウジ関係の悪化を「憂慮」

ナジャ・フーサリ

ベイルート: レバノンのナジーブ・ミカティ首相は、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)のサウジアラビア パビリオンを訪問した。両国はイエメン内戦に関する閣僚の発言をめぐって生じた外交・経済上の緊張状態の緩和を模索しているところだ。

ミカティ首相はパビリオンで駐英サウジアラビア大使のハーリド・ビン・バンダル・アル・サウード王子の出迎えを受けた。ハーリド王子は環境、グリーン経済、気候変動などに関するサウジアラビアのビジョンについて説明した。

ミカティ首相はムハンマド・ビン・サルマン皇太子が立ち上げたグリーン・イニシアティブを称賛し、次いでCOP26のUAEパビリオンも訪問した。

レバノンのジョージ・クルダヒ情報相が親イラン武装組織フーシ派について、イエメンでの戦いは自衛であり、戦闘は終わらせるべきだと発言したことが強い反発を呼んでいる。

サウジアラビアを中心とした湾岸諸国は駐レバノン大使を召還し、自国に駐在するレバノン大使に国外退去を命令した。

クルダヒ情報相はミカティ首相の要請に応じず、その任に留まっており、ヒズボラやマラダ運動は辞任拒否を支持している。

サウジアラビアはクルダヒ情報相の発言はヒズボラのレバノンに対する覇権主義を反映したものだと批判した。

経済団体の代表らは2日、マロン派のビシャーラ・アル・ライ総主教と面会し、この問題により国家と国民の利益が損なわれることについての懸念を表明した。

経済団体の事務局長を務めるニコラス・シャマス氏は以下のように述べた。「我々はレバノンとアラブ諸国、特にサウジアラビアとの間で現在、起きている事態について遺憾の意を表明する。サウジアラビアは過去70年に渡り、湾岸協力会議の盟主だ。サウジと湾岸諸国は政治社会的に、また人道支援や財政支援、経済面においても常にレバノンを支援してきた。特に内戦期間から戦後にかけて支援を受けた」

「経済人として、今回の関係悪化に深い憂慮を覚える。レバノン人は湾岸地域をはじめ各地でサウジ関連企業に雇用されている。また、サウジアラビアはレバノンの主要な輸出先であり、投資者でもある。つまり、いかなる関係悪化も我が国に深刻な影響を及ぼすことになる。我々は現在の危機から脱出するためのIMFの決定に関して、サウジアラビアに大きく依存している点を忘れるべきではない」

そして、レバノンには原材料の輸入をサウジと湾岸諸国に依存している複数の工場があり、その輸入を止められていることから、今回のことで数千世帯が直接の影響を受けることになると警鐘を鳴らした。

経済団体の代表、モハメッド・ ショウカール氏は危機の解決に向けた政治的な動きに進展がないと批判した。

そして、ミシェル・アウン大統領がこの問題から距離を置き、「完全に黙認」していることに遺憾の意を示した。

湾岸諸国との今回の関係悪化は、レバノンが自国の経済財政危機から脱出しようと苦闘している最中に起こった。

米国のアントニー・ブリンケン国務長官はミカティ首相との会談の中で、米国政府は「次の議会選挙までの期間、引き続き安定の回復と経済再建のためのレバノン政府の取り組み、およびIMFとの交渉を支援する」と重ねて表明した。

ミカティ首相の報道官はブリンケン国務長官がレバノン軍、教育、医療、環境分野などへの「継続的な支援」を強調したと発表している。

ミカティ首相は1日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領と会談した。マクロン大統領はレバノンの政治経済的安定への支援を重ねて表明した。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相はミカティ首相との会談において、ドイツがすべての分野でレバノンを支援する用意があることを伝え、ドイツがレバノンの安定と回復を強く願っていることを強調した。

リークされた情報によれば、ミカティ首相と会談した指導者らは皆、ミカティ政権の退陣に反対しており、レバノンが経済財政的な苦境から脱するには政権の存在が必要だとしている。

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