• 民兵団は「連立交渉の際の交渉力強化が目的」

バグダッド：イラクの首都バグダッドでは、先月行われた選挙の結果をめぐり、親イラン派の支持者数百人によるデモが行われた。警察との衝突で、少なくともデモ参加者1人が死亡した翌日の出来事だった。

今回のデモは、10月10日に行われた選挙の後、イラクの多数の政党が連立政権の樹立と新首相の指名に向けた交渉を進める最中に発生した。

暫定の選挙結果では、新イラン派の多党派準軍事組織​「ハシュド・アル・シャアビ」の政治部門である「征服連合（ファタ）」の議席数が大幅に減少している。

同連合の支持者は、今回の結果を「不正」と非難している。イラクの政治アナリストであるイサン・アル・シャマリ氏は、「ハシュド派の抗議活動は、連立交渉の際のハシュド派の交渉力強化を目的としている」と述べた。

死者が出るほどの緊迫状態から一夜明け、落ち着いた雰囲気の中、政府機関や米国大使館などがあり、警備が厳重なグリーンゾーンの4つの入口のうちの1つに、ハシュドの支持者たちが集まった。

抗議者たちはテントや衛生設備を持ち込んでおり、10月19日に始まった座り込みの再来を予感させている。

また、「犯罪者」と呼ばれるムスタファ・アル・カディミ首相の肖像画を燃やした抗議者もいた。

5日には、選挙結果に対する怒りを表明しようとした数百人のハシュド支持者がグリーンゾーン付近に集まり、警察と衝突している。

治安筋によると、デモ隊は投擲物を投げつけ、グリーンゾーンへの入口を塞いだが、警察の発砲によって撤退したという。

また、別の治安筋によると、デモ参加者1名が負傷により病院で死亡した。保健省によると、125人が負傷し、その大半が治安部隊のメンバーだった。

ハシュドの最も強力な派閥の1つである「ヒズボラ・ブリゲード」のリーダーは、5日にデモ隊の参加者2人が殺害されたと述べている。

6日には、ナジャフ市にて追悼する市民たちが、バグダッドでの衝突で死亡したとされるハシュド支持者2人の棺を運んだ。

暫定の選挙結果では、国会の329議席のうち48を獲得し、第2勢力であった征服連合の議席数が約15に減少している。

今回第1勢力となったのは、イランを批判し、民族主義者として選挙活動を行なった指導者ムクタダ・サドル師の党だった。当初の集計では、70以上の議席を獲得している。

最終的な選挙結果は数週間以内に判明する予定だ。

AFP