Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • リビアの政治的難局は選挙にとって脅威、この危機に世界の大国が会合

リビアの政治的難局は選挙にとって脅威、この危機に世界の大国が会合

10年に及ぶ戦争からの脱却を目指すリビアでは、大統領選挙と議会選挙の候補者登録が始まっている。(ファイル/AFP)
10年に及ぶ戦争からの脱却を目指すリビアでは、大統領選挙と議会選挙の候補者登録が始まっている。(ファイル/AFP)
Short Url:
12 Nov 2021 08:11:48 GMT9
12 Nov 2021 08:11:48 GMT9
  • 11月12日にパリで開催される会議で、欧米諸国は選挙への国際支援の強化を目指している。

パリ:リビアでは政治的対立が予定される選挙を頓挫させる恐れがあるが、世界の大国にはほとんど選択肢がなく、1年に及ぶ和平プロセスが崩壊する危険にもかかわらず予定どおり12月24日に投票を開始する以外に方策はないと考えている。

外交筋によると、選挙が6週間後に迫っても選挙のルールや立候補資格の合意が得られていないが、11月12日に会合を予定している主要国は選挙の機運が高まっていると考えている。

11月12日にパリで開催される会議で、欧米諸国は選挙への国際支援を強化する準備をしており、潜在的な妨害者に向けて制裁の可能性を警告することに合意したいと考えている。

リビアの選挙は昨年採択された国連が支援するロードマップに基づいて実施される。そのロードマップでは、何年も戦ってきたライバルである東西の両政権を引き継ぐ暫定統一政府も樹立された。

和平プロセスは、2011年にNATOが支援してムアンマル・カダフィ氏を放逐した蜂起が引き金となり、以来地域勢力を引きずり込んでより広範な地中海地域の安定を脅かしてきた、10年に及ぶ不安定と戦争の時代を終わらせるチャンスとみなされている。

だが、選挙の法的根拠について明確な合意が得られておらず、主要勢力が選挙を拒否する可能性があり、アナリストは、参加した勢力の場合でも曖昧な点や論争を利用してその後の権力闘争を正当化する恐れがあると警告している。

「リスクがあっても12月24日という日付を維持する方が、延期より危険度は低い。すべては交渉次第だ」と、国境を越える犯罪組織に対するグローバルイニシアチブ(Global Initiative Against Transnational Crime)のジャレル・ハルシャウイ氏は述べている。

2019年から2020年にかけてトリポリへの破壊的な攻撃を指揮した東部武装勢力の司令官で、リビアの広範な地域を支配しているハリファ・ハフタル氏は立候補する可能性が高いが、首都や西部地域の多くの人の怒りを買っている。ハフタル氏の支配地域における投票は公平なものにはならないという。

東部地域の有力者をはじめとする他のリビア人の一部は、3月に暫定首相に任命された際に選挙に立候補しないと誓ったアブドゥルハミード・ドベイバ氏の立候補を阻止したいと考えている。ドベイバ氏を批判する人たちは、選挙に勝つために国家の資金をポピュリスト政策に使用していると非難している。

他に立候補が想定される人物には、元独裁者の子息であるサイフ・アル・イスラム・カダフィ氏、今回の選挙によって改選される議会の議長で、多数のリビア国民が利己的とみなす投票法を発布したアギーラ・サレハ氏などがいる。

外交官たちは、主要人物の全員が参加する選挙が必要であり、国際的な選挙監視団が不正や有権者に対する脅迫、抑圧、操作を防止あるいは明らかにするのに役立つと考えている。

最も目につく障害はサレハ氏の投票法をめぐる論争だ。同法が発布された議会は適切な投票数や定足数に足りなかったと、後に数人の議員が発言している。

同法は、国連のロードマップで規定されているとおり12月24日に大統領選挙と議会選挙の両方を設定するのではなく、議会選挙は大統領選挙の第2回投票と一緒に後日実施するとしている。

サレハ氏の法律では、既に政府などのポストに就任している候補者は、選挙の3カ月前に一時的に退任しなければならないとも規定している。サレハ氏もハフタル氏も退任している。だが、ドベイバ氏は退任していない。

トリポリを拠点にする武装勢力はこの法律を拒否している。2015年の政治合意で崇高に謳われている高等国家評議会も拒否している。

しかし、国家選挙管理委員会は既に候補者登録と有権者カードの発行の手続きを進めている。12月24日に大統領選挙の第1回投票を実施して、第2回投票と議会選挙はその後52日以内に実施するとしている。

ロイター

topics
特に人気
オススメ

return to top