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2015年の核合意再建の協議中に、イランは核開発を進めているとIAEAが発表

イランのコム郊外にあるイランのフォードウ地下核施設が写った衛星写真。(AP通信/資料写真)
イランのコム郊外にあるイランのフォードウ地下核施設が写った衛星写真。(AP通信/資料写真)
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03 Dec 2021 03:12:15 GMT9
03 Dec 2021 03:12:15 GMT9
  • ブリンケン国務長官は協定の復活には悲観的だと表明
  • イスラエルは世界の主要国に対し、早急に協議を停止するよう呼び掛け

ウィーン、エルサレム:イランは、山を掘って建設されたフォードウ燃料濃縮プラントのより効率の高い最新型の遠心分離機を使って濃縮ウランの製造を開始したと、国連の核監視機関が発表し、欧米との間で行われている2015年の核合意を復活させる協議中に、同合意がさらに損なわれることとなった。

この発表は、崩壊した核合意にイランと米国を完全復帰させることを話し合う両国間の間接協議を妨げそうだ。この核合意は、強硬派のイブラヒム・ライシ大統領の選出がきっかけで生じた5ヵ月間の中断を経て今週再開された。

欧米の交渉官らは、イランが交渉で優位に立つために既成事実を作り出しているのではないかと懸念している。

今回の協議の3日目に、国際原子力機関は、イランがフォードウにある最新型のIR-6型機166台から成るカスケード(クラスター)の1つで、ウランを最大20%の純度まで濃縮するプロセスを開始したと発表した。これらの機械は、第1世代のIR-1型機よりもはるかに効率が良い。

核合意がいかに損なわれているのかを明確に示すこととして、同協定ではイランがフォードウでウランを濃縮することは全く認められていない。今までイランは、ここのIR-1型機で濃縮ウランを生産し、一部のIR-6で濃縮を行っていたが、生成物は残していなかった。イランはまだ稼働していないフォードウのカスケードに94台のIR-6型機を設置していると、IAEAは声明で述べた。

IAEAが加盟国に配布したより総合的な報告書によると、イランの動きの結果、同核監視機関は遠心分離機が設置されているフォードウ燃料濃縮プラントでの査察を強化する計画だが、詳細についてはまだ調整する必要があるという。

米国は2日、核合意復活の見込みについて悲観的な見方を示し、米国政府は楽観的になれる材料はほとんどないと述べ、イラン政府は米国と欧州の交渉官の決断力を疑問視している。

「最近の動き、最近の言葉遣いは、我々が楽観的になれる材料をもたらしてはいない」と、米国のアントニー・ブリンケン国務長官はストックホルムで語り、イランが誠意を持って取り組むかどうかは、1日程度で判断できると語った。

イスラエルは、世界の主要国に対し、イランとの核協議を直ちに停止するよう促した。「イランは交渉戦術として核のゆすりを行っており、これには交渉の即時停止と、世界の主要国による厳しい措置の実施で応えるべきだ」と、ナフタリ・ベネット首相官邸が、ブリンケン長官との電話会談での首相の発言を引用した。

あるイスラエル政府高官によると、ベネット首相はブリンケン長官に対し、イランに対する制裁解除、特に暫定合意に基づく制裁解除は、実質的に「イランの体制に大規模な資金が流れ込むこと」を意味するとして、反対の意向を伝えたという。

イランのホセイン・アミラブドラヒアン外相は、ウィーンでの交渉は「真剣に進められて」おり、制裁解除は「基本的な優先事項」だと述べた。

ロイター

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