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パレスチナ人襲撃者への銃撃についてイスラエル警察を事情聴取

2021年11月17日、ナイフによる攻撃があったとされるエルサレム旧市街の現場に集まるイスラエル治安部隊。(資料/AFP)
2021年11月17日、ナイフによる攻撃があったとされるエルサレム旧市街の現場に集まるイスラエル治安部隊。(資料/AFP)
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05 Dec 2021 11:12:57 GMT9
05 Dec 2021 11:12:57 GMT9
  • 傍観者が撮影した映像にはイスラエルの準軍事組織である国境警察の警官が襲撃者を撃っている様子が映されている
  • イスラエル当局は、治安部隊は一般市民に危害を加えないよう最大限の努力をしており、違反の疑いがある場合は調査を行うとしている。

イスラエル、テルアビブ:イスラエル法務省は、東エルサレムでイスラエル人男性を刺したパレスチナ人が射殺された事件で2人の警察官が事情聴取を受けたと発表した。

イスラエル警察が公開した監視カメラの映像には、犯人が土曜日に超正統派のユダヤ人男性を刺した後、国境警察の警官を刺そうとして撃たれ、地面に倒れている様子が写されている。警察によると犯人は、ヨルダン川西岸のサルフィットに住む25歳の男性である。その後、警察が遺体を担架で運び去る様子が目撃されている。

傍観者が撮影したビデオには、イスラエルの準軍事組織である国境警察の警官が、すでに地面に倒れていた犯人を撃っているように見えるものや、銃を構えた警察官が救急隊員の到着を妨げているように見えるものがあり、過剰な暴力の可能性について調査を求める声が上がっている。

今回の銃撃事件は、2016年にイスラエルの兵士が怪我をして地面に倒れているパレスチナ人襲撃者を銃撃する様子がカメラに収められた事件と比較されている。

法務省の警察捜査部門によると、警察官は事件直後に取り調べを受け、無条件で釈放されたという。

イスラエルのナフタリ・ベネット首相は警察官を支持する声明を発表した。また、他の指導者たちも彼らの行動を擁護している。

「爆発物を持っているテロリストの可能性もある。色々な可能性がある。彼らの行動は正しかった」と警察を監督するオメル・バルレフ公安相は、日曜日にイスラエル軍のラジオで語った。

事件が起きたのは、エルサレム旧市街のすぐ近くにあるダマスカス門付近で、デモや衝突が頻発する、張り詰めた空気の混雑した場所である。

旧市街は、1967年の戦争でイスラエルがヨルダン川西岸とガザ地区とともに占領した東エルサレムにある。イスラエルは国際的に認められていない方法で東エルサレムを併合し、この都市全体を首都としている。パレスチナ人は、東エルサレムを、ヨルダン川西岸地区とガザ地区を含む将来の国家の首都とすることを望んでいる。

近年、旧市街周辺では数十件の襲撃事件が発生しているが、そのほとんどが武装グループとのつながりを持たないパレスチナ人によるものである。

パレスチナ人やイスラエルの人権団体によると、治安部隊は攻撃に対して時に過剰な武力を行使し、逮捕できたはずの容疑者や治安部隊に差し迫った脅威を与えていない相手を殺害しているという。

人権団体によると、イスラエルはパレスチナ人を射殺しても治安部隊の責任を問うことが殆どないという。捜査は不起訴や寛大な判決で終わることが多く、多くの場合目撃者も尋問に召喚されない。

イスラエルは、治安部隊は市民に危害を加えないよう最大限の努力をしており、違反の疑いがある場合は調査を行うとしている。

広く知られている2016年の事件では、イスラエル軍兵士のエロール・アザリアが、負傷して地面に倒れているパレスチナ人襲撃者を銃撃する様子がカメラに収められていた。アザリアはその後、無謀な過失致死の罪で有罪となり、14カ月の刑期のうち3分の2を服役した。

この事件についてはイスラエル国民の間で大きく意見が分かれた。軍はアザリアが倫理規定に違反したとして起訴したが、多くのイスラエル人、特に右派民族主義者はアザリアの行動を擁護した。

最近では、昨年、エルサレム旧市街で自閉症のパレスチナ人男性が射殺された事件で、国境警察の警官が無謀な過失致死の罪で起訴された。

今回の事件は、自閉症のイヤド・ハラーク氏の銃撃事件からちょうど1年後に起きたもので、遺族はこの殺人事件に対するイスラエルの捜査を批判し、より厳しい告発を求めている。

同銃撃事件は、米国で起きたジョージ・フロイドの警察官による殺害事件とも比較されている。

AP

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