デン・ハーグ：オランダの控訴裁判所は火曜、イスラエルの国防相と別の元軍高官の2014年の激しい空爆への関与に対する民事訴訟を棄却する下級審の判決を支持した。

デン・ハーグ地方裁判所は2020年1月に、イスラエルのベニー・ガンツ国防相と元空軍指揮官アミール・エシェル氏に対する訴訟に対し、2人が「裁判からの機能的免責権」を有するという理由で進められないとの判決を下した。

デン・ハーグ控訴裁判所は火曜に、空爆の時点で軍参謀総長であったガンツ氏およびエシェル氏はイスラエル政府の政策を実行していたため免責権を有するとした下級審の判決は正しいと伝えた。

この訴訟は空爆により6人の家族を失ったイスマイル・ジアダ氏が起こしたもので、彼の弁護士はこの空爆が2014年のガザ紛争の間のイスラエルの軍事作戦の一部であったと主張している。

ガザでは軍事的殺戮。デン・ハーグでは法律的殺戮。そんな印象だ

イスマイル・ジアダ氏

ジアダ氏はオランダの裁判所にガンツ氏とエシェル氏に損害賠償を命じるよう求め、彼の弁護士は2人の行動は戦争犯罪となるものであるため免責にはあたらないと主張した。

ジアダ氏は火曜の判決が「どんな正義の感覚にも反するもの」だとし、判断を下した裁判官らを「臆病者」と呼んだ。

「ガザでは軍事的殺戮。デン・ハーグでは法律的殺戮。そんな印象だ」と同氏は述べた。

ガンツ氏はガザ地区境界の視察の間にオランダの裁判所の決定に反応し、自分は誇りを持ってイスラエル軍を指揮しており、軍は「価値観と人権を忠実に守り」国際法を遵守しており、「イスラエル市民を守り、市民が平和と安寧の中で生きられるようにするという真の目標を持って」いると述べた。

イスラエル司法副長官のロイ・ショーンドルフ氏はこの判決を歓迎した。

「控訴裁判所は、彼らがprotective edge（防衛の刃）作戦の枠組みの中で行われたテロ対策活動に対する民事訴追から免責されると認めました。これはIDF（イスラエル国防軍）の全ての指揮官を同様の企てから守る非常に重要な判例です」とショーンドルフ氏はツイートした。

下級審はジアダ氏がイスラエルで2人を訴えられるとも伝えた。2019年の公判の際、ジアダ氏は自分がイスラエルの司法制度を利用できるというこのアイデアを「危険であるし馬鹿げている」として拒絶した。

ジアダ氏は初期の公判で自身の母と3人の兄弟、1人の義理の姉妹、12歳の甥を問題の空爆で失ったと述べた。

イスラエルの法務省は2020年の判決の前に当該裁判所に対し、イスラエル軍の内部調査によってこの空爆が家に隠れていた4人の民兵を殺害したと断定されたことを伝えた。

法務省はこの攻撃は国際法の下で許容されるものだとした。ガザ地区のハマス支配者たちも建物の中に2人の民兵がいたと述べた。

ジアダ氏の弁護士であるリスベス・ゼグベルド氏は、裁判官らは法律を保守的に解釈したと語った。

「裁判官には．．．法的に言えば私たちに有利となる別の決定を下す法律的余地がありましたが、先例はありませんでした」とゼグベルド氏は言う。「ですから彼らはそんなに斬新ではないものの今までになかったことをする必要がありました」

この判決についてはオランダの最高裁判所に上告することができる。

AP