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イスラエル外務大臣、関係強化のためカイロへ

木曜日、カイロのタリール宮殿にて、イスラエルのヤイール・ラピード外務大臣から、エジプトから盗み出された後イスラエルで押収された歴史的遺物の返還を受けるエジプトのサーメハ・シュクリ外務大臣。(ロイター)
木曜日、カイロのタリール宮殿にて、イスラエルのヤイール・ラピード外務大臣から、エジプトから盗み出された後イスラエルで押収された歴史的遺物の返還を受けるエジプトのサーメハ・シュクリ外務大臣。(ロイター)
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10 Dec 2021 06:12:36 GMT9
10 Dec 2021 06:12:36 GMT9
  • イスラエルのヤイール・ラピード外務大臣はエジプトのエルシーシ大統領とシュクリ外務大臣と会議し、エジプト情報局局長も同席した

カイロ:イスラエルの外務大臣は木曜日、外交のためカイロを訪問した。その主な目的はイスラエルと、ガザ地域のハマス指導者らとの間の存続が危ぶまれる停戦協定を補強することであった。

イスラエルのヤイール・ラピード外務大臣は、エジプトのアブデルファタハ・エルシーシ大統領とサーメハ・シュクリ外務大臣と会議した。イスラエルの新政権とエジプトとの間に芽生えつつある協力関係があらわれた会議であった。エジプトの情報局局長も会議に同席した。

アラブ諸国としては初めてイスラエルと和平条約を結んだエジプトは、イスラエルと武装組織ハマスの間で重要な仲介役を務めている。

イスラエル外務省によると、ラピード外相はガザ地域の経済開発と引き換えに、ハマスに沈静化と将来の非武装化を約束させる計画を提示した。計画には「捕虜や行方不明者の問題」への対策も盛り込まなければならない、とされた。

ラピード外相はまた、2007年にハマスのクーデターにより失脚したパレスチナの政権を支えているイスラエルの施策についても話した。パレスチナのマフムード・アッバース大統領は現在、イスラエルが実効支配するヨルダン川西岸地区の限られた自治区のみを代表している。

イスラエル外務省によると、ラピード外相はイランの核開発プログラムについて懸念を示し、また、経済、エネルギー、農業、貿易などの民生分野において、エジプトとより密接な協力関係を築きたいというイスラエル側の考えを伝えた。

「エジプトはイスラエルにとって、特に重要な戦略的パートナーです」とラピード外相は述べた。「私の目標は、我が国とエジプトとの安全保障、外交、経済関係を強化することです。両国の平和のための努力を続けることも重要です」

エジプトに到着したラピード外相は、エルシーシ大統領に迎えられた。エジプト当局により出された声明によると、大統領は、中東地域に「包括的で公正な」平和を実現するための国際協力の重要性と、それに向けたエジプトの責任を強調した。

外務大臣間の協議中に、ラピード外相はエジプトから盗み出された後にイスラエルで押収された歴史的遺物95点をエジプトに返還した。

イスラエル外務省によると、これらのうち数点を密輸していた人物が、2013年にエジプトからの便で帰国した際に逮捕された。同年、残りの90点余りの遺物がエルサレムの古物商で発見されたという。

遺物の中にはヒエログリフの刻まれた石や、木製の棺の破片、パピルス紙製の文書、墳墓に捧げ物として供えられたエジプトの女神などの像などが含まれていた。イスラエル当局は、遺物を並べたテーブルの前に立つラピード外相とシュクリ外相の写真を公開した。

エジプトとイスラエルは1979年に歴史的和平条約を結んだ。それ以来両国の関係は落ち着いたものであったが、水面下では強固な協力関係が続いている。ここ数ヶ月の間、全面的な協力の事例が目立つようになっている。

AP

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