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アッバース大統領に対する怒りが高まる中、パレスチナ人たちが地方選挙で投票

2021年3月20日、ガザ市の中央選挙委員会事務所でパレスチナ人たちが5月の議会選挙の政党リスト登録を開始するなか、警察官たちが監視している。(ロイター)
2021年3月20日、ガザ市の中央選挙委員会事務所でパレスチナ人たちが5月の議会選挙の政党リスト登録を開始するなか、警察官たちが監視している。(ロイター)
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12 Dec 2021 08:12:22 GMT9
12 Dec 2021 08:12:22 GMT9

ラマッラー:マフムード・アッバース大統領が今年前半に予定されていた評議会選挙と大統領選挙の投票を中止したことで怒りが高まる中、また稀に見る民主的な動きの中で、12/11土曜日にパレスチナ人たちが占領下のヨルダン川西岸地区で地方選挙を行なった。

ヨルダン川西岸地区の154の村議会の代表者に投票する資格は40万人以上のパレスチナ人に与えられた。この地区は、アッバース大統領のパレスチナ自治政府により自治が制限されてきた。地方自治体の選挙は通常4年または5年ごとに行なわれる。

しかし、ガザ地区では選挙は行なわれていない。ガザ地区を支配するイスラム主義グループのハマスは、アッバース大統領の政党ファタハとの間に亀裂が生じるなか、投票をボイコットしている。また、この86歳の指導者は、ファタハのパフォーマンスが彼の支配に対する国民投票と見なされるであろうラマッラーのような西岸地区の主要都市での投票を延期した。

「これらの選挙は評議会選挙の代替とはなり得ない」と、ビルナバラ村の投票所の外でアフマド・イッサ氏(23)は語った。「若者たちに展望を与え、改革を実現し、法律を作り、変化を起こすため、私たちには(評議会)選挙が必要だ」

世論調査で既に支持率が低下していたアッバース大統領は、イスラエルが東エルサレムでパレスチナ人が投票を行なうことを認めないという動きを理由に、夏に向けて予定されていた評議会選挙と大統領選挙を中止したが、これにより4月には広範囲からの怒りを買った。

ハマスを含むアッバース大統領のライバルたちは、世論調査により彼と彼の政党がイスラム主義グループに敗北することが示されていた選挙を中止する口実として、大統領がエルサレムで起きた投票に関する紛争を利用したとして彼を非難した。10年以上にわたって法令により統治を行なってきたアッバース大統領はこれを否定している。

2012年と2017年に前の地方選挙をボイコットしたハマスの広報官は声明の中で、同グループは「ファタハ向けにあつらえられたパレスチナ自治政府が実施する部分選挙への参加を拒否する」と述べ、中止された夏の投票のスケジュールを変更するようアッバース大統領に求めた。

ハマスは、5月にイスラエルと11日間の戦闘を行なって以来、ヨルダン川西岸地区と東エルサレムでの人気が急上昇している。このグループは今年、ヨルダン川西岸地区の上位大学の何校かで学生評議会選挙に勝利したが、これは支持率を示す重要なバロメーターだ。

パレスチナ人は、1967年の戦争でイスラエルに占領された領土であるヨルダン川西岸地区、ガザ地区、東エルサレムで国家の地位を求めている。イスラエルは国際的には認められていない動きで東エルサレムを併合し、2014年に両者の間での和平交渉は決裂した。

ハマスは2006年にパレスチナ人の最後の評議会選挙で勝利したが、それが政治的決裂の土台となった。ハマスは2007年に短期の内戦でファタハと戦った後、ガザ地区を占領したが、それ以来沿岸の飛び地を支配してきた。

ロイター

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