アンマン: レバノンのキリスト教総主教ビシャーラ・ブトロス・アル・ライ氏は日曜日、正体不明の政治家たちが権力を濫用し、2ヶ月ぶりの閣議再開を妨害していると非難。彼らが外国の利益のために働いていると述べた。
レバノン内閣は現在、国際通貨基金(IMF)との協議を再開し、必要な対外援助を引き出すことに重点を置いている。しかし昨年のベイルート港爆発事故の調査をめぐる論争の中、10月12日以降閣議が行われていない。
2020年8月4日のベイルート港爆発事故は、長年安全に保管されていなかった大量の硝酸アンモニウムが原因で200人以上の死者を出したが、1年以上経っても誰も責任を問われていない。
重武装のシーア派組織ヒズボラとその支持者たちは、爆発事件の捜査責任者が政治的偏見を持っているとして、彼の解任を求めている。
総主教は日曜の説教で、政治派閥を名指しせずにこう述べた。「己の影響力をもって閣議の開催を妨害することは憲法違反であり、外部の不審な目的のために国家および国民の利益を害する行動を、我々は断じて認めない。」
ヒズボラを厳しく批判してきたライ氏は、今回言及した政治家たちが、爆発事故の司法捜査や過失疑いの責任追及努力を妨害していると非難している。
レバノンは、1975年から1990年にかけての内戦以来、国の安定を脅かす最悪の経済破綻に直面している。
ライ氏によると、政府が国会に提出した資本規制法の草案では、負債を抱えた銀行を救うために、何百万ドルもの預金者の資金が犠牲になるという。
また同氏は「レバノン国民は、国家や銀行の利益のために自分たちの預金が犠牲になるのではないかと、不安を募らせている。」とも述べた。
レバノンでは伝統的に司教がマロン派教会の長として影響力を持っており、宗派による権力分立体制の下マロン派から大統領が選出される慣行だ。
ロイター