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イランの核交渉責任者がIAEAによるカラジの核関連施設への査察要求を拒否

イランの核交渉責任者は、IAEAによるカラジの核関連施設への査察要求は保障措置を逸脱しており、イラン政府として受け入れることはできないと述べた(写真提供:AFP通信)
イランの核交渉責任者は、IAEAによるカラジの核関連施設への査察要求は保障措置を逸脱しており、イラン政府として受け入れることはできないと述べた(写真提供:AFP通信)
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14 Dec 2021 11:12:36 GMT9
14 Dec 2021 11:12:36 GMT9
  • 「カラジの核関連施設に関する問題は既に終結しており、指摘されている事柄はカラジの施設と相互に関係しているため、それらは一緒に解決されていなければならない」

ウィーン:イランの核交渉責任者は14日、国連傘下の監視機関・国際原子力機関(IAEA)によるカラジの作業施設への査察要求は保障措置の範疇を超えており、イラン政府として受け入れることはできないと述べたと、半国営のイラン学生通信(ISNA)が伝えた。

「カラジの核関連施設は保障措置の対象外です。我々は、保障措置協定と核兵器不拡散条約(NPT)の枠組みの中で活動しており、それら以外のことについて受け入れることはありません」と、イラン原子力庁のムハンマド・エスラミ長官が述べた。

「カラジの核関連施設に関する問題は既に終結しており、指摘されている事柄はカラジの施設と相互に関係しているため、それらは一緒に解決されていなければなりません」とエスラミ長官は語った。

またイラン政府は14日、2015年のイラン核合意について西側諸国が「非難合戦に固執している」として非難した。この前日、欧州の外交当局者らが、合意を再建する努力が不発に終わった場合、合意はすぐに機能不全に陥るだろうと警告を発していた。

英・仏・独の外交当局者は13日、ウィーンでのイランと主要国との協議について悲観的な評価を加える中で、核合意を再建するための「時間がなくなってきている」と警告を発し、交渉に進展がなければ合意はすぐに「抜け殻」になってしまうだろうと述べた。

イラン側の核問題交渉責任者であるアリ・バゲリ・カニ氏はツイッターで応酬し、「一部の当事国は真っ当な外交を行う代わりに、習慣的に非難合戦に固執している。我々の考えは既に提案しており、双方のギャップを縮めるために建設的に、また柔軟に取り組んだ」と記した。

加えてカニ氏は米国と、また米国が2018年に核合意から離脱した件に触れ、「外交は両方向の道路のようなものだ。違反者の不正行為を真剣に是正しようという意志があれば、良い取引への道が迅速に開かれるだろう」とツイートした。

一方、米国のアントニー・ブリンケン国務長官は14日、米国政府は「現時点で最善の選択」であるため、イランとの外交交渉を継続する構えであると述べた。だが同時に、「代替案について同盟国・協力国と積極的に議論を交わしている」とも付け加えた。

犬猿の仲であるイランと米国との間接協議は4月に始まったが、6月に強硬派の聖職者であるイブラヒム・ライシ氏が大統領に当選し、中断していた。5ヶ月間の空白を経て、ライシ大統領の交渉団は非妥協的な態度でウィーンに戻ってきた。

2019年、イランは、米国が核合意から離脱し、イラン経済を壊滅状態に追い込んだ厳しい制裁を再び科す決定を行ったことに応対する形で、合意により課されていた核開発の制限に違反し始めた。

米国政府高官によると、11月29日に始まった第7回目の協議の中で、イランは過去6回で同国が合意していたあらゆる妥協案を破棄し、さらなる要求まで行ったという。

制裁緩和のスケジュールや範囲、またイランが既に行った核開発活動をいつどのようにして元通りにさせるかといった重要問題についてのイランと米国との立場の隔たりは依然として大きく、合意が得られる可能性はほとんどないようだ。

ロイター

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