ナジャ・フーサリ

ベイルート：レバノンの保健省はレバノンでこれから数週間にかけてコロナ患者が増加した場合、昨年のシナリオが繰り返される可能性があることを恐れている。

保健大臣のフィラス・アビアド医師は火曜、「感染患者数が増加している。入院患者が日々増えている」と述べた。

「病院で確実に患者が受け入れられるよう取り組んできた。病床使用率が76パーセントに上昇し、懸念材料となっている」とアビアド氏は付け加えた。

保健省は毎週末に別名「ファイザーマラソン」として知られる公開ワクチンキャンペーンを開催することで感染の新たな波の抑制を急いでいる。

同省は月曜、新型コロナウイルス感染症の新規患者787人と死亡者12人を発表した。

アビアド氏は、オミクロン株の感染患者３名がレバノンで確認されたと述べた。「レバノンのオミクロン株感染患者も他国と同様に増えることが予想される」

今のところ、ワクチンプラットフォームに登録済みの人の40パーセント、つまり約220万人が１回目の接種を、34パーセント（約190万人）が２回目の接種を受けており、ブースター接種を受けている人は11パーセントに留まっている。

議会の保健委員会を率いる心臓外科医のアッセム・アラジ議員は、「昨年はホリデー期間終了後の１日あたりの患者数は1600～1900人だった」と言う。

「今年は同じシナリオは避けたい。予防措置が守られていないため、保健相とすべての関係省庁、特に観光省と内務省に対して予防措置の厳格な適用を求めた。ワクチンの量は十分に確保しており、接種済みの人の数は先週150,000人に到達した。これは良好な数字であり、接種を受けない言い訳はないのであるからこの道筋で進まなければならない。再度感染アウトブレイクを起こすわけにはいかず、全員が接種を受けられる分のワクチンは確保済みであるから、歴史が繰り返すことは避けたい」とアラジ氏は述べた。

新型コロナ感染予防措置の追跡管理を行う委員会は「すべての会場において収容人数の50パーセントを上限とする規制を導入する」決定を発行した。都市封鎖を行う兆しはまだない。

アラジ氏は約2,000人の看護師が国外に出ていることによりレバノンの医療従事者が著しく不足している点を指摘し、国民に対して「ホリデー期間中は予防措置を守る」よう促した。

医師たちは医療セクターのスタッフ不足の現状を踏まえ、昨年のシナリオが今年さらにひどい状態で繰り返されることを危惧している。

レバノンレストラン・カフェ・ナイトクラブオーナー連合ればのは、「当連合では最近の新型コロナ患者の増加について認識しており、特にホリデーシーズンを目前に控えた今、最善の予防策を探っている」と発表した。

多くの外国在住レバノン人がホリデー期間中に帰国するが、同連合のピエール・アル・アシュカルによると現在の雰囲気は「暗く、ホリデーを祝う感じはあまりない」という。

「観光業は落ちる一方だ。主な問題は保健省が家や別荘、プライベートなパーティーは監視せず、レストランやホテルばかり監視対象とすることだ」とアル・アシュカル氏は語る。

「我々がお客様に対して収容人数の上限を伝えれば、お客様は新年会を行う場所を例えば貸別荘などに変えてしまう。家や別荘でも密になり、お店よりもずっとひどい過密状態になるが、同時に費用の面でもお店を利用するより安上がりになる」