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イラン、原子力プラントの監視で譲歩、国連による核施設の壊れたカメラの交換を認める

イランは、国連の核監視機関であるIAEAが、カラジにある遠心分離機の部品工場でカメラを交換することを許可した。(AFP通信)
イランは、国連の核監視機関であるIAEAが、カラジにある遠心分離機の部品工場でカメラを交換することを許可した。(AFP通信)
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16 Dec 2021 04:12:36 GMT9
16 Dec 2021 04:12:36 GMT9
  • 15日まで、イランはIAEAによるカメラ交換の要請を拒否していた
  • 2015年の核合意を復活させようと、先週9日から交渉が再開された

アラブニュース

テヘラン/ジェッダ:イランは15日、米国政府と国連の核監視団からの圧力に屈し、ウランを濃縮する遠心分離機の部品を製造する工場に新たな監視カメラを設置することに同意した。

国際原子力機関がテサ・カラジ複合施設の工場に設置していた4台のカメラのうち1台は、6月にイスラエルによる破壊工作で破壊された。その後、イランは全てのカメラを撤去し、同機関によるカメラの交換を禁じた。

米国は、イラン政府が考えを変えないのなら、IAEAの35ヵ国から成る理事会でイラン政府と対決することになり、この対決は、2015年のイランとの核合意の復活を目指したウィーンでの協議を崩壊に導くものになると迫った。

ウィーンに本部を置く国際原子力機関(IAEA)は、6月の攻撃で破壊されたとイランが主張している機器の交換を求めてきた。イランは、この攻撃はイスラエルの仕業だとしている。

「善意のしるしとして、イランはIAEAに対し、カラジの核施設に対する破壊工作活動で破損したカメラを交換するために、新しいカメラを設置することを許可する」と、イラン国家安全保障評議会に近いとされるヌール通信が伝えた。
「これは、IAEAとの関係における誤解を解くためのイランによる自発的行為だ」と、同通信社は報じた。

「破損したカメラの安全性の調査が完了したため、また、IAEAがテサの複合施設での破壊工作を非難し、カメラ設置前にイランの専門家によるカメラの技術的点検を行うことを受け入れる決定をしたため、イランは同機関が壊れたカメラを新しいカメラに交換することを認めた」と、同通信社は付け加えた。

イランは、6月23日のテサ・カラジ遠心分離機部品製造工場に対する「破壊工作」攻撃の背後では宿敵イスラエルが関わっていると非難している。

当時イランは、事件の性質を断定せずに、建物に対する攻撃を阻止したと述べていた。

15日まで、イランはIAEAによるカメラ交換の要請を拒否していた。2018年にドナルド・トランプ政権下で米国が離脱した、イランと世界の主要国の間で結ばれた2015年の核合意を復活させようと、先週9日から交渉が再開された。

イランは民間利用を行う能力の開発を望んでいるだけだと述べているが、欧米の主要国は、濃縮ウランの備蓄量はそれをはるかに超えており、核兵器の開発に使われる可能性があると述べている。イラン・イスラム共和国は常に核兵器保有は望んでいないとしている。

この進展は、イランの他の通信社も報じている。

ラファエル・マリアノ・グロッシIAEA事務局長。(AP通信資料写真)

「カラジの施設の監視カメラの交換でイランと合意したことは、IAEAのイランにおける検証・監視活動にとって重要な進展だ」と、同機関のラファエル・グロッシ事務局長が述べた。「私は、イランにおける保障措置に関する全ての未解決問題にも対処し、解決するために、建設的な議論を継続できることを心から望んでいる」

しかし、15日の合意は、破壊されたカメラの行方不明映像に関する問題に対処したものではなかった。IAEAと欧米の主要国はイランに対し、その所在を説明するよう求めている。

カラジで行われていることの認識のギャップが大きくなればなるほど、西洋諸国や湾岸諸国の間では、イランが重要な部品をウラン遠心分離機に流用しているのではないかという懸念が高まる。

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