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フーシ派がイラン外交官の帰国に向けて動き、イエメンで議論を呼ぶ

2021年12月6日、サナアのフーシ派戦闘員の葬儀に向かう警察官。(ロイター)
2021年12月6日、サナアのフーシ派戦闘員の葬儀に向かう警察官。(ロイター)
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19 Dec 2021 12:12:01 GMT9
19 Dec 2021 12:12:01 GMT9
  • ウォール・ストリート・ジャーナルが、フーシ派がアラブ連合軍にハッサン・エルロ氏のイランへの帰国を許可するよう求めたと報じた

サイード・アル・バタティ

アル・ムカッラー:フーシ派がサナアのイラン大使を帰国させることを計画しており、イエメン人の間に議論を呼び起こしている。フーシ派民兵組織とイラン政権の間に亀裂が生じている可能性があるという報道について、イエメン人の議論では大部分が否定されている。

ウォール・ストリート・ジャーナルは金曜、イエメンの空域を支配しているアラブ連合軍に対してフーシ派が、ハッサン・エルロ氏をイランに帰国させる許可を求めたと報じた。

イランは2020年10月にエルロ氏をフーシ派が支配するサナアの大使に任命した。この動きはイエメン側で激しい反発を招き、イエメン政府はエルロ氏をフーシ派が支配する領域の「事実上の支配者」と呼ぶに至った。エルロ氏がイエメン軍に対する軍事作戦の指揮を行っていたからである。

イエメンの政治・軍事アナリスト、政治家、人権活動家は、フーシ派とイランの間に緊張が存在する可能性を除外している。

「フーシ派はこの地域を征服もしくは破壊するためのイランの宗派的計画における不可欠の要素です」と、イエメン大統領の顧問を務めるヤセン・サイード・マッカウィ氏がツイッターに投稿した。

10年以上に渡って、イエメン政府はイラン政権が高度な武器や政治・財政面でフーシ派を支援していることへの非難を続けてきた。フーシ派民兵への武器輸送の遮断が行われたこと、イエメン紛争でイラン、レバノン、イラク軍人が死亡したこと、イランが資金提供している大手メディアでの偏った報道、そしてエルロ氏の任命についての言及が行われてきた。

もしイランの軍事専門家が現地に存在していなかったならば、イエメン政府とアラブ連合軍は、サナアをはじめとするフーシ派支配下の各地域からフーシ派を追い出せていたはずだ、と専門家は語る。

イエメンの軍事アナリストのヤヒヤ・アブ・ハテム大佐によれば、ハッサン・エルロ氏はCOVID-19に感染したか、もしくは空爆で負傷した可能性があるという。

さらにこの動きで、イエメンにおける意思決定を支配しているのはフーシ派だけだということをイランは証明しようとしたとも考えられる、と同氏は付け加えた。

「フーシ派はイラン国外におけるイラン革命防衛隊の一派なのです。フーシ派をイランと団結させているのは何かと言えば、それはこの反政府組織がイランに依存しており、絶対的忠誠を誓っているということです。フーシ派とイランの間で何か論争があるという話はナンセンスなことでしかありません」と、アブ・ハテム大佐は述べた。

イエメンの政治アナリストであるサレハ・アルバイダニ氏は、「病んだ」イラン大使が仲介者の手配した航空機で避難することになったが、先日のサナアに対するアラブ連合軍航空機による空爆が原因で中止されていたのだと主張した。「このようなぐらついた避難は純粋に医療的な理由によるものであり、政治的な理由ではありません」

その他のイエメン人は、フーシ派に承認を与えるとともに、フーシ派に対する国際的な圧力を緩和するために、亀裂があるというニュースをイランが捏造したのだと指摘する。

イエメン人ジャーナリストのファエド・タレブ・アル・シャラフィ氏によれば、革命防衛隊が直接フーシ派を監督していたのだという。「フーシ派がエルロ氏と揉めていたという話はイランの策略です。フーシ派への承認をもたらし、フーシ派に対して増加している国際的な圧力を緩和することが目的です」

その他のイエメン人は、イランとフーシ派の間に不和があったことに同意している。イランの軍事計画がフーシ派によるマアリブ中心街の占拠には至らなかったことを受け、ここ数ヶ月の間に不和が浮上してきたのだという。

エルロ氏がサナアに着任してから5ヶ月後、フーシ派は同市を制圧するための大規模軍事侵攻の再開を発表した。

マアリブ県やアル・バイダ県で急速な展開を行ったにもかかわらず、多数の犠牲者を出し、目標の大部分は達成できなかった。

司法省次官のファイサル・アル・マジディ氏によれば、イランはマアリブの占拠に失敗したことを受け、エルロ氏の解任を模索していたという。「これはマアリブの占拠に失敗したことに対するイランの態度に過ぎません」と、アル・マジディ氏は述べた。

情報省次官であり政治アナリストのナジーブ・ガラブ氏はアラブニュースに、フーシ派内のあまり影響力のない人物は、主にこの紛争の間にイランの影響が一掃されたことを不満に思っていると語った。

「そうした人々はイランによるフーシ派の完全な支配ではなく、イランとの自然な関係を求めているのです」と、ガラブ氏は述べた。

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