• オミクロン株による感染がヨーロッパ、米国、中東、アジア地域で拡大している
• ドバイの私立病院に勤務している新型コロナウイルスの専門医2人は、オミクロン株による感染拡大を懸念している

アラブニュース

ジェッダ: 新型コロナウイルスのオミクロン変異株が前例のない速度で拡大する中で、火曜日、世界中が致命的な感染の波に備えを固めた。

オミクロン株による感染がヨーロッパ、米国、中東、アジア地域で拡大している。そこには日本も含まれ、米軍基地で発生した新型コロナウイルスのクラスター1回で、180人以上の感染者が出ている。

世界保健機構（WHO）の欧州事務局長ハンス·クルーゲ氏は「（感染の）新たな嵐がやってきている」と述べ、新型コロナウイルス感染者の「大幅な急増」に備えなければならないと警告している。クルーゲ氏はまた、オミクロン株がすぐに主流となり「すでにひっ迫している医療制度をさらに瀬戸際まで追い込むだろう」と述べた。

サウジアラビアで確認された新型コロナウイルスの感染者は、日曜日の104人から火曜日の222人と、この2日間で2倍以上に増加した。保健相は全住民にワクチン接種とブースター接種を強く促している。

アラブ首長国連邦（UAE）では人口の99%がワクチンを接種しており、すべての成人がブースター接種を実施しているが、この24時間で452人の感染が確認されており、2人が死亡した。感染者の増加は9月中旬以来初めてだった。1週間前には感染者が1日50人前後と過去最低になり、パンデミックの最悪期を脱し通常の生活に戻れたと実感していたのだ。

屋外でのマスク着用が国全体で義務付けられているが、ドバイのバーやレストランは満員、12月の休暇に向けて最高級ホテルは予約で満室だ。

しかし、UAEからインドのケララ州に旅行したカップルが、目的地到着時に検査をしてオミクロン株の陽性反応が出た。またスペインの有名テニス選手ラファエル・ナダル氏も、アブダビのトーナメントから帰国した際に検査をして陽性反応が出ている。

ドバイの私立病院に勤務している新型コロナウイルスの専門医2人は、オミクロン株による感染拡大を懸念しているという。ただ、新たに感染した患者のほとんどが軽症から中等症で、自宅療養をしているとのことだ。

ドイツ、スコットランド、アイルランド、オランダ、韓国は、部分的または全面的なロックダウンやソーシャルディスタンスを義務付ける法令を再施行した。

スコットランド首相のニコラ・スタージョンは、毎年エディンバラで開催される大規模な年越し祭を中止し、サッカーの試合に観客を動員することを禁止した。

米国ではバイデン政権が、ニューヨークに新型コロナウイルスの検査場を設置し、国民が無料で注文できる自宅用簡易検査キットを5億個購入した。米国におけるオミクロン株の感染者は、今月初旬の時点で新型コロナウイルス感染者全体の1%未満だったが、現在は73%を占めている。