エルサレム:イスラエルの治安筋から7日寄せられた情報によると、隣国レバノンから国境を越えて飛来したドローン(無人機)を捕獲し調査したところ、イランの支援を受ける過激派組織「ヒズボラ」の空中偵察能力が判明したという。
レバノンとイスラエルは国際法上戦争状態にあり、厳戒態勢が敷かれる国境地帯では定期的にドローンが飛び交っている。
情報筋によると、8月に撃墜したドローン1機から取り出された動画ファイル(AFP通信に開示された)の中には、ヒズボラのドローン操作員や他のドローン、さらにはイスラエル北部の入植地や軍駐屯地を空撮した映像があったという。
匿名を条件に取材に応じた情報筋によると、この映像はヒズボラ特殊部隊がドローン操作法の訓練を受けたときに撮影されたのは間違いないという。さらにイスラエル側がこうした様子を確認したのは今回が初めてとのことだった。
2人目の情報筋によると、昨年捕獲されたドローンのうち5機(4日に撃墜された小型観測用ドローン1機を含む)はヒズボラが運用するものだったという。
「我々は敵の情報を収集しており、敵も我々に関する情報を集めています」と、同じく匿名が条件の2人目の情報筋は語った。「ヒズボラと我々の間で、情報収集を競っているようなものです」
イスラエルは戦闘用ドローンの開発と利用という面では世界の最先端を行っているが、宿敵イランも軍事用無人航空機を開発しており、イスラエルの技術的優位性を凌ごうとしているのは把握している。
ヒズボラが使用したドローンは、必ずしもイラン製とは限らず、市販されている通常型のドローンも含まれると、2人目の情報筋が語った。
「店頭でドローンを購入すれば、情報収集などあらゆることが簡単に実行できます」という。
ヒズボラは昨年9月、レバノン上空でイスラエル軍のドローンを撃墜したと発表した。
レバノンが深刻な経済危機に見舞われるなか、ヒズボラは国境を越えて活動している。
1人目の治安筋によると、経済的苦境によりヒズボラのドローン計画に支障が出たという兆候は見られないという。
AFP