ハルツーム:民主主義への移行をクーデターが狂わせて以来最も凄惨な日の1つに対し、スーダンの民衆は18日に店を閉じ、燃えるタイヤと岩で道路を封鎖して怒りの抗議を行なった。
10月25日の軍によるクーデターに反対して数千人がデモ行進する中、治安部隊は17日に発砲を開始。少なくとも7名が死亡した。医療班によれば、政変以来殺された犠牲者の合計数は71名へ増加した。
「反対、軍政に反対」と、デモ隊は青ナイル州南部で繰り返し訴えた。「平和的デモ参加者の殺害に反対」というスローガンがペンキで描かれた垂れ幕を掲げた人らもいた、と目撃者のオマー・イーサ氏は述べた。
抗議運動が起こったのは、北東アフリカに位置するスーダンでの1ヶ月に及ぶ危機に終止符を打とうと、ワシントンがプレッシャーを強めている最中のことだった。米国の外交政策責任者が、協議のため首都ハルツームへの到着を予定している。
スーダンの主な民間連合である「Forces for Freedom and Change」は、18日から2日間の市民的不服従を呼びかけている。
乱雑に広がるハルツームのサジェーン建設資材市場では、「哀悼のため閉店中」と書かれた小さな貼り紙が、そこかしこの閉じた店先で見とめられた。17日に射殺された人々の中には、市場の商い人の一人だったオスマン・アル・シャリフ氏がいた。
時に何万人にもなるデモ参加者は、3ヶ月近く前にアブドゥルファッターフ・ブルハン主権評議会議長が率いたクーデター以来、定期的に街頭へ繰り出している。
軍の権力掌握は今月に入ってアブダッラー・ハムドゥーク首相を辞任へ追い込み、2019年4月の独裁者オマル・バシール氏追放後に続いていた、文民統治への不安定な移行を頓挫させた。ハムドゥーク首相は、スーダンが「自国の生存そのものを脅かす危険な岐路」にあると警告を発した。
17日の死者の発表後、国連特別代表のフォルカー・ペルテス氏は実弾の使用を非難し、一方で米大使館は「スーダン治安部隊の暴力的戦術」を批判した。列強からのこうした最新の訴えは、増加する死者数を抑えていない。18日には、東ハルツームで道路にバリケードを設置していたデモ参加者数十名に向けて警官が催涙ガスを発射した。
ハルツームのその他いくつかの地区では、多くの薬局とその他の店がシャッターを下ろした。
スーダン工科大学は、市民的不服従の一環として全ての活動を一時停止したと公式声明を発表した。
首都の外では、数百人の抗議者が他都市でもデモを行なっている、と目撃者らは述べた。
「治安部隊が昨日ハルツームで犯した殺戮に対して抗議するため、路上に出ました。」と、デモ参加者のハッサン・イドリス氏は東部の都市カッサラで語った。
ブルハン主権評議会議長は18日、17日の暴動について調べるために事実調査委員会を設立。調査結果は72時間以内に提出される、とスーダンの与党最高議会は声明で述べた。
一方では、メアリー・フィー米国国務次官補と「アフリカの角」担当特使デービッド・サッターフィールド氏のハルツーム到着が予定されている。米国国務省報道官のネッド・プライス氏は、彼らが「暴力を終わらせ、表現の自由と平和的集会を尊重するようにという我々から治安部隊への訴えを改めて表明するだろう」と語った。
17日、スーダン警察はデモ参加者らへの反撃に「最小限の武力」を使い、およそ50人の警察官も負傷したと述べた。
スーダン当局は、デモ参加者に対する実弾の使用を繰り返し否定し、多数の保安要員が抗議運動中に怪我を負っていると主張する。警察庁長官は、先週刺されて死亡した。
18日、「Friends of Sudan」(スーダンの暫定政権回復を呼びかける西側諸国とアラブ諸国の一団で、米国、欧州連合、サウジアラビア、アラブ首長国連邦と国連を含む)がサウジアラビアで会談を行なった。
「昨日の暴動について深く憂慮している」と、動画リンクから会談に参加した後でペルテス国連特使はツイッターへ投稿した。
「国際的な支援と影響力が必要とされています。政治的プロセスへの支援は、暴力を終わらせるための積極的支援と平行して提供される必要があります。」
欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表は、スーダンの軍部指導者が、自国における現在の危機的状況を平和的に解決するための交渉に消極性を示していると述べた。
ジョセップ・ボレル上級代表は、抗議運動者への暴行を控えるようにとのスーダン当局への度重なる要求は「聞き流されてきた」と述べた。
ボレル上級代表は、民間人への暴行、活動家やジャーナリストの拘留を含めて現在続いている弾圧が、「平和と安定から離れた危うい方向」へスーダンを導いていると述べた。また、「これ以上の人命の喪失を防ぐことが何より重要」と指摘し、緊張を緩和させるよう軍当局へ要請した。
弾圧は、危機的状況に平和的解決を模索する国連の努力にも支障をきたす恐れがある、とボレル上級代表は語った。
クーデターに対して抗議運動者を動員し続けている抗議団体は、軍司令部との交渉を拒否している。彼らが主張するのは、移行を先導する完全な文民政権への権力の引き渡しだ。
AFP/AP