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ダルフールでの暴力が危機の深刻化を露呈

南ダルフールの町ニャラ郊外で、世界食糧計画(WFP)のトラックの到着を待つ列に並ぶ、子供を抱えたスーダンの難民女性たち。(AFP)
南ダルフールの町ニャラ郊外で、世界食糧計画(WFP)のトラックの到着を待つ列に並ぶ、子供を抱えたスーダンの難民女性たち。(AFP)
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20 Feb 2022 06:02:36 GMT9
20 Feb 2022 06:02:36 GMT9
  • 土地や家畜、水や牧草の利用をめぐる争いによって衝突が急増し、牧民と農民の間の戦闘で約250人が死亡している

ハルツーム:国連施設への攻撃、部族間の衝突急増、略奪、レイプ、反クーデターデモ。スーダンのダルフール地方は、昨年のクーデター以降、拡大する治安悪化に苦しんでいる。

スーダンは世界で最も貧しい国の1つだが、広大で不毛な土地のダルフール地方は長年にわたり、国の課題以上の問題を背負い、苦しんできた。

10月に数百キロ離れた首都ハルツームでクーデターが起きたとき、ダルフールはまだ、前の絶対的指導者オマール・バシールの下で勃発し、数十万人の死者を出した、2003年の紛争の遺産で揺らいでいた。

ダルフール紛争は沈静化したものの、チャドに隣接するダルフール地方には銃があふれ、スーダンの300万人の難民のほとんどがここで暮らしている。

先週、北ダルフールの旧国連平和維持軍基地を警備する政府軍と、2020年に政府と和平協定を結んだ武装集団のメンバーとの間で衝突が起り、双方で複数の死者が出た。

今は解散している国連アフリカ連合平和維持軍(UNAMID)の兵站基地だった同施設は、すでに12月に略奪されていた。

同じ頃、世界食糧計画は、北ダルフールの倉庫で1日以上にわたって略奪が行われたことを受け、業務を停止した。「200万人近くが切実に必要としている食糧と栄養の支援を奪う」行為であると、同機関は述べている。

10月以降、土地や家畜、水や牧草の利用をめぐる争いによって衝突が急増し、牧民と農民の間の戦闘で約250人が死亡している。

同時期にダルフール人たちは、全国のスーダン人と同様に、10月にハルツームで起きたアブデル・ファタハ・アル・ブルハン陸軍総司令官主導の軍事クーデターに抗議するデモを行った。

「この4ヶ月間、治安が非常に危険な状況になっており、武装した男たちがしばしば車を止め、人々の持ち物を略奪している」と、ダルフール在住のモハメド・アイサさんは話した。

2003年のダルフール紛争以来、キャンプで暮らしてきた人々は、再び恐怖に襲われている。

「略奪や女性へのレイプも横行している」と、北ダルフールの町エルファシャー近くのザムザム難民キャンプで暮らすアブダラ・アダムさんは言う。

国連によれば、昨年末からの新たな暴力により、さらに数千人が家を追われ、すでに追われていた人たちも、ダルフール内の他の場所や国境を越えたチャドへと再び避難せざるを得なくなっているという。

2003年に始まった騒乱では、差別を訴える少数民族の反政府勢力が、アラブ人の支配するバシール政権と戦った。政権側は、殺人、レイプ、略奪、村の焼き討ちなどの残虐行為で非難されているジャンジャウィード民兵を送り込むことで対抗した。

AFP

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