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相違点は脇に置き、国民のニーズに集中するよう、国連がイラクの指導者らに求める

アントニオ・グテーレス事務総長のイラク特使、ジャニン・ヘニス・プラスハルト氏が、政府樹立の取り組みの最新の展開を安保理で報告した。(国連TV)
アントニオ・グテーレス事務総長のイラク特使、ジャニン・ヘニス・プラスハルト氏が、政府樹立の取り組みの最新の展開を安保理で報告した。(国連TV)
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25 Feb 2022 05:02:16 GMT9
25 Feb 2022 05:02:16 GMT9
  • 国連のイラク特使は、各政党が自らの政治的パイの配分しかしようとしていないため、政府樹立の努力は行き詰っていると述べた
  • 選挙からは4ヵ月以上が経過しており、もういい加減に焦点を本来当てるべきところ、つまり、イラク国民に戻す時が来ている」と、特使は付け加えた

エファレム・コッセイフィ

ニューヨーク:新政府樹立のプロセスに延々と時間がかかる中、イラクに住む4千万人の人々は、指導者らに対する我慢が限界を超えつつあると、24日の国連で発言があった。

「国民が最低限期待しているのは、選挙で選ばれた代表者が、国内の分断とその結果として生じた政治的行き詰まりを乗り越え、安全や治安、経済の安定や人権の保護を求める国民の期待に集中することに、より強い切迫感を持って取り組むことだ」と、アントニオ・グテーレス事務総長のイラク特使、ジャニン・ヘニス・プラスハルト氏が述べた。

特使は、昨年10月の同国の議会選挙以来続いている政府樹立の取り組みの最新の展開を、安保理で報告した。シーア派のムクタダ・アル・サドル師が率いる運動は、329議席の議会のうち73議席を獲得し、単独勢力としては最多となった。

選挙結果は12月にイラクの最高裁判所によって承認されたが、アル・サドル派と親イラン派のシーア派政党との間に深い溝がある中で、次のステップである大統領選出の進展は行き詰りを見せている。

アル・サドル師は、スンニ派のムハンマド・アル=ハルブーシー国民議会議長が率いる政党タカダムと、クルディスタン民主党を取り入れた過半数連立政権の樹立を目指している。両政党はそれぞれ、37議席と31議席を獲得している。

シーア派の各政党は国民の合意が得られる政府を支持しており、選挙不正疑惑が公になる中で、選挙結果に異議を申し立てる多くの訴訟を起こしている。

「多くのイラク人は、リソースや権力を手に入れることや、政治的任命や閣僚ポストの配分が今回どのように行われるかよりも、国益が実際に、現在行われている交渉の中心に据えられているのかどうか、ますます疑問に思っている」と、ヘニス・プラスハルト特使は述べた。

「私が申し上げているのは、選挙からは4ヵ月以上も経過しており、もういい加減に焦点を本来当てるべきところ、つまり、イラク国民に戻す時が来ているということだ」

その間にも、イラク国民は、より多くの雇用機会、安全や治安の改善、適切な公共サービス、権利と自由の保護、正義と説明責任、イラク人の女性と若者の有意義な参加を待っていると、同特使は述べた。

交渉が「政策の方向性、発展の道筋、経済改革計画に関する活発な意見交換」によって活性化されていれば、政府樹立の段階が長引くことへ我慢は期待できたかもしれないと、特使は付け加えた。

「しかし、今のところ、我々が目にしているのは真逆であり、この国が切実に必要としている変化や改革を妨げている」

特使は、安全保障や政治的空白の観点で「国の守りが弱い」と、国を外国からの干渉に晒すことになり、ダーイシュがこれを利用する準備を整えている中で、テロに対する脆弱性を高めることにもなると、再度警告した。

「イラクの場合、(これは)仮説に基づく主張ではない」と、特使は述べた。

今月発表された国連の報告書によると、ダーイシュは過去3ヵ月間だけでもイラクの治安部隊に対して120回以上の攻撃を行い、地域の指導者や治安部隊員、テロ組織からイラク当局への協力者呼ばわりされている民間人などを標的にし続けている。

ヘニス・プラスハルト特使はまた、外国人テロリストの戦闘員とその妻や子どもたちが収容されているシリア北東部のキャンプからのイラク人の送還問題も取り上げた。国連の当局者らは、これらのキャンプの悲惨で危険な生活環境は、怒りを煽り、テロリストの勧誘を促す時限爆弾であるとして非難している。

国連は、イラク当局が2021年5月以降、450家族、合計約1800人を送還したと述べ、送還により「勇気を示した」として、イラク政府を称賛している。

ヘニス・プラスハルト特使はまた、イラク人家族の帰国を受け入れただけでなく、ダーイシュの戦闘員も送還したことに対して、イラク政府を称賛した。

「昨日のダーイシュとの戦いの遺産が、いとも簡単に明日の戦争に変わるということ、(また)幼い子どもたちがアル・ホールのようなキャンプで成人するのを待つべきでないということを、過去3年間、私は繰り返し申し上げてきた」と、特使は付け加えた。

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