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国連、特別会合へ ロシア-ウクライナ危機への集団的措置を検討

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28 Feb 2022 09:02:26 GMT9
28 Feb 2022 09:02:26 GMT9
  • 特別会合は2月28日に召集され、加盟国にウクライナ侵攻についての意見を述べる機会が与えられる
  • ロシアは特別会合開催についての決議に反対したが、国連の規定上、この戦争を総会に付託することに関しては拒否権がない

エファレム・ コッセイフィ

ニューヨーク:国連安全保障理事会は2月27日、ウクライナ情勢に関する集団的措置を勧告する国連総会の緊急特別会合を開催するための決議案を採決に付した。2日前の25日の理事会で、81ヵ国が賛同した同様の決議案がロシアによる拒否権行使により否決されていた。

集団的措置には武力行使が含まれる可能性がある。

193ヵ国からなる国連総会で緊急特別会合の開催が決定されるのは40年ぶりで、国連創設以来11回目となる。

決議案は、ウクライナ問題に関する共同議長国である米国とアルバニアが提出した。いわゆる「平和のための結集」決議で、機能不全に陥った安保理がウクライナ問題を総会に委ねる。

2022年2月27日、ニューヨークで開催された国連安全保障理事会で演説するアルバニアのフェリット・ホクシャ大使。(アンドレア・ルノー/AFP)

採決は国連加盟国の3分の2の多数により行われ、賛成票は安保理メンバーのうち9ヵ国のみで足りる。このような総会決議は歴史的に、常任理事国が反対票を投じても採択されてきた。

この決議には、ウクライナ危機に関して安保理常任理事国の間で意見が一致しないことが、国連の最も重要な機関が国際平和と安全の維持に対する主要な責務を果たすことを妨げていると明記されている。

安保理メンバーのうち合計11ヵ国が賛成し、中国、アラブ首長国連邦(UAE)、インドが棄権した。ロシアは反対した。

27日の採決は、首都キエフを含むウクライナの主要都市がロシア軍による大規模な攻撃を受け、数百人の死傷者が報告されている中で行われた。

28日の朝には、ロシアとウクライナがベラルーシとの国境地帯で直接対話を行うことで合意したとの報道があった。

アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・アブシャハブ国連常駐代表代理は、この発表を歓迎し、敵対行為の停止と唯一の道としての対話をあらためて呼びかけた。

アブシャハブ氏は、ウクライナの民間人の保護が引き続き最優先事項であると強調した。

「安全な場所にたどり着こうとする市民は、妨げられることなく避難できなければならない」と述べ、必要としている人々に支援が届くことが最も重要であるとした。

米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使は採決の説明の中で、決議に賛同する安保理メンバーは、今が「普通の時ではない」ことを認識しており、「国際システムに対するこの脅威に対応し、ウクライナとその人々を助けるためにできる限りのことをする」ことが求められていると述べた。

2022年2月27日、ニューヨークで開催された国連安全保障理事会で、英国のバーバラ・ウッドワード大使の演説に耳を傾ける米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド大使(右)。(アンドレア・ルノー/AFP)

トーマスグリーンフィールド大使は、他の大使らにこう語った。「この神聖な議場に安全に座っている私たちは、ロシアによる人命の冒涜に対応する道義的責任がある」

同大使は、この対応は、支援を必要とする何百万人ものウクライナ人に人道支援と軍事支援の両方を行うことのほか、「唯一の侵略国であるロシアにその行動の責任を取らせること」などだと述べた。同大使は「残虐行為は見逃さない」と誓った。

同大使は、「ロシアの銃や兵士、爆弾やロケットに直面してもなお」再び立ち上がろうとしているウクライナ人の勇気や力に目を向けるよう安保理メンバーに呼びかけた。

同大使はまた、ウクライナ人が「席について対話する勇気を持っていること(と)引き続き和平対話に参加する意向を示していること」を歓迎した。

ロシアのヴァシリー・ネベンジャ国連大使は安保理メンバーに対し、NATOの拡大に関するロシアの安全保障上の懸念を西側諸国が無視しようとしていることは、国連憲章に反していると語った。

ネベンジャ氏は、現在の危機はウクライナで軍事作戦を開始したことの結果ではなく、8年前に東部ドンバス地方での「ウクライナの愛国主義者らの」活動を「見て見ぬふりをした」ときに発生したと述べた。

ネベンジャ氏はまた、「ロシアは民間人や民間のインフラを砲撃していない。民間人に対する脅威はウクライナの愛国主義者らによるものだ」と述べ、いわゆる「愛国主義者ら」がダーイシュと同じ戦術をとり、民間人を人間の盾として使い、犯罪者を刑務所から解放し武器を提供していると非難した。

ウクライナのセルギー・キスリツァ国連大使は、ロシアのプーチン大統領が「本日、公然と核のカードをちらつかせる手段に出た」ことは極めて憂慮すべきことだと述べ、プーチン大統領の脅迫を「非常に真剣に」受け止めるよう世界に促した。

2022年2月27日、国連安全保障理事会で演説するウクライナのセルギー・キスリツァ大使。(アンドレア・ルノー/AFP)

キスリツァ氏は、ロシア側はこれまでに4,300人の兵士を失い、200人以上が捕虜になったと述べた。

キスリツァ氏はまた、所在が分からなくなったロシア兵の親族のために、ウクライナ政府が「ウクライナから生還せよ」というホットラインを開設したと述べ、ロシアがこれらの損失を認めていないことを非難した。

インドのT. S. チルムルチ常駐代表は、暴力の即時停止をあらためて要求した。「対話に戻る以外に選択肢はない」と述べ、「すべての国家」の領土保全を尊重するよう求めた。

中国の張軍国連大使は、現在の最優先事項は「すべての当事者が事態の悪化を防ぐために自制すること」であると述べた。

2022年2月27日、ニューヨークで開催された国連安全保障理事会で発言する中国の張軍大使。(ロイター/デイビッド・ディー・デルガド)

張大使は、ベラルーシ国境地帯におけるロシアとウクライナの対話の可能性の発表を歓迎した。また、「EUとロシアが対等な立場で対話すること」を中国が支持すると表明した。

28日の会期は、ニューヨークで午前10時(世界標準時で15時)に開始され、少なくとも終日続くと予想される。

28日には、安保理は午後5時から、ウクライナの人道的状況に関する緊急会合を開く予定だ。

外交官らによると、これはフランスのエマニュエル・マクロン大統領の要請によるもので、国連の人道問題機関および難民機関の職員らが参加する予定だ。

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