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国連、ロシアによるウクライナ軍事侵攻に対する非難決議を圧倒的賛成多数で採択

国連総会は第11回緊急特別会合を引き続き開催し、ウクライナ軍事侵攻に対してロシアを非難する決議案の投票を行った。(AFP)
国連総会は第11回緊急特別会合を引き続き開催し、ウクライナ軍事侵攻に対してロシアを非難する決議案の投票を行った。(AFP)
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03 Mar 2022 05:03:14 GMT9
03 Mar 2022 05:03:14 GMT9
  • この決議については、シリアとベラルーシを含む35か国が棄権し、5か国が反対票を投じたが、141か国が採択を支持した。決議に法的拘束力はないものの、国連におけるロシアの孤立が浮き彫りとなった。
  • UAEのラナ・ヌサイベ国連特使:「私たちは紛争管理から紛争解決に考え方を変える必要がある。この危機を目覚めの呼びかけにしよう。」

エファレム・コッセイフィ

ニューヨーク:加盟国がロシアの「ウクライナに対する軍事侵攻」を非難する決議案を圧倒的賛成多数で採択し、戦争の中止と軍の撤退を求めると、大きな拍手が国連総会の総会議場に響き渡った。 

この決議は、ロシアの拒否権発動によって安全保障理事会での同様の決議が否決されたことを受け、めったに開かれることのない緊急特別会合で採択された。これはいわゆる「平和のための結集」決議であり、これにより、行き詰まった安全保障理事会は、総会の注意の目を問題の状況に向けさせることが可能となる。

今回の緊急特別会合は、国連の歴史の中で、安全保障理事会によって開催が呼びかけられた11度目のものであった。イスラエルに関して開催された1982年以来となる。 

この決議に法的拘束力はないものの、世界の舞台でロシアの孤立を高めるという目標が達成された。総会に加盟する193か国のうち、141か国が支持し、中国とイランを含む35か国が投票を棄権した。シリア、北朝鮮、エリトリア、ベラルーシの4か国はロシア側に付いて反対票を投じた。

戦略都市のヘルソンがロシアの空爆に遭い、爆発がキエフを揺るがし続け、数十万人のウクライナ人が避難を余儀なくされているなか、投票は行われた。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、水曜日の決議が重要な真実を反映しているとし、「世界は、ウクライナにおける人々の途方もない苦しみに終止符が打たれることを望んでいる。総会のメッセージは明確だ。ウクライナでの敵対行為を今すぐ終わらせ、今すぐ銃を置き、今すぐ対話と外交の扉を開かなければならない」と語った。

ウクライナの領土保全と主権は国連憲章に沿って尊重されなければならないと、グテーレス事務総長は述べ、「一刻の猶予もない。紛争の残忍な影響は明白だ。現在のウクライナの人々にとって状況は悪いものであるが、それはさらに悪化する恐れがある。時限爆弾のように時間が残り少なくなっている」と付け加えた。

米国のリンダ・トマス=グリーンフィールド国連大使は、投票前に会合の場で、ロシアは攻撃を強化する準備をしていると述べ、ロシア軍による国際法で禁止されたクラスター爆弾と真空爆弾の使用を引用して、国際法違反の責任を負わせるべきであると加盟国に呼びかけた。 

「自国を含めて、国連加盟国には主権と領土保全の権利があると信じるなら、賛成票を投じてください。ロシアがその行動の責任を負うべきだと信じるなら、賛成票を投じてください」とトマス=グリーンフィールド大使は話した。

ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は、モスクワが民間人を砲撃していることを否定し、決議の採択はさらなる暴力を煽る可能性があると警告し、西側政府が決議を採択するよう会合に圧力をかけたと非難した。 

ウクライナ軍が民間人を人間の盾として使用し、住宅地に重火器を配備していたことを非難したネベンジャ大使は、ロシアの「軍事作戦」が、ドネツクおよびルハンシクにおけるクレムリン支援の分離地域の民間人に対する、いわゆる「ネオナチ」攻撃を終わらせることを目的としていると改めて述べた。 

月曜日にネベンジャ大使は、ウクライナの「非軍事化」と「非ナチス化」が完了したときに戦争は終了すると述べた。 

中国の張軍国連大使は、北京の投票棄権を説明するにあたり、この決議案は「現在の危機の歴史と複雑さを十分に考慮していない。また、不可分な安全保障の原則の重要性、あるいは政治的解決を促進し、外交努力を強化することの緊急性を強調していない」と話した。 

EUのオロフ・スクーグ国連代表団長は、この決議は単にウクライナとヨーロッパに関係することではなく、「私たち全員が合意した規則に基づいて国際秩序を守ること」に関係することであると述べた。

「ロシアはますます孤立している。EUと世界はウクライナの人々と共にある」とスクーグ代表団長は語った。 

彼女が決議を支持した一方で、UAEのラナ・ヌサイベ国連特使は、決議は十分ではないと述べ、UAEはウクライナの人道的状況の悪化を強く懸念していると付け加え、同胞の加盟国に「あらゆる取り組みと外交努力を尽くして、人道的状況のさらなる悪化を防ぐことができるよう、共同責任」を果たすことを呼びかけた。

「私たちの知恵と経験の蓄えを集めて、前進する道を導く時だ」とヌサイベ特使は語った。 

そして、「私たちは紛争管理から紛争解決に考え方を変える必要がある。この危機を目覚めの呼びかけにしよう。国連の取り組みを活性化して対話を促進し、切実に困窮している人々を支援する必要がある」と付け加えた。

アラブ諸国の大多数はまた、国連憲章の原則、特に紛争の平和的解決と加盟国の主権と領土保全の尊重へのコミットメントを引用して決議案の投票に臨んだ。 

シリアだけが反対票を投じた。ダマスカスの使節は、この決議がロシアへの中傷を目的としており、「危機を長引かせ、無政府状態を広め、ダブルスタンダードを採用し、一方的な制裁を課す」として、西側の「覇権主義的」政策を非難した。

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