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レバノン 「メガセンター」をめぐる議論が議会選挙を延期させるか

レバノンのミシェル・アウン大統領。(AFP/ファイル)
レバノンのミシェル・アウン大統領。(AFP/ファイル)
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10 Mar 2022 02:03:56 GMT9
10 Mar 2022 02:03:56 GMT9
  • アウン大統領は、有権者が地元に戻ることなく投票できる施設を作ることに意欲的である
  • しかし、反対派はこの問題によって5月15日に予定されている投票を延期させてはならないと主張

ナジャ・フーサリ

ベイルート:レバノン政府は木曜日、来る議会選挙での投票を容易にするため、いわゆる「メガセンター」を設置するかどうかを決定する見込みである。

ミシェル・アウン大統領が支持するこの施設の目的は、有権者が登録地域外で投票できるようにすることである。つまり、投票するために地元に戻る必要がなくなる。

しかし、もしこの施設を設立する場合、現在5月15日に予定されている選挙が延期される可能性も指摘されている。

この問題は、閣僚委員会の報告書が完成した後、その結果を踏まえて閣議決定されることになる。もしこの案が承認されれば、センター設立を可能にする法律案を国会に提出する必要がある。

アウン陣営は、「メガセンターの採択に、法的措置は必要ない。政治的な意図があれば非常に簡単だ」と述べている。一方、野党側は「この問題は法改正が必要であり、非常に高い財政負担になる」としている。

委員会の報告書の中で、ワリード・ナサール観光相はこう述べている。「8つのメガセンターの設立費用は……200万ドルを超えない。3週間以内に完成させることができる」

しかし、バッサム・マウラウィ内相は、施設設置の技術的要件が混乱を招くと述べた。

「閣僚委員会は選挙の延期に反対している。いかなる遅延もなく、指定された日に選挙を実施することを主張している」

この混乱は、センターが「健全な選挙を行うために必要な原則と要件」を備える必要があるために起こるだろう、と同氏は述べた。

「該当地域にテントを張って、テーブルの上に投票箱を置けば良い、というようなものではない。これはそれ以上に複雑なのだ」

「メガセンターを設立するなら、電子接続、光ファイバー、必要な情報を同期する中央サーバーが必要になる。もしテントを張れば良いと彼らが考えているのなら、それはメガセンターとは呼べない」

さらにマウラウィ氏は、「このプロジェクトを担当する会社は、タスクを完了し、主要な選挙センターを中央サーバーにリンクさせるために、最大3ヶ月を必要とする。さらに、国外に住むレバノン人有権者に適用されるものは、国内に住む有権者にも適用されるべきである」と述べた。

政治オブザーバーによると、アウン氏が所属する自由愛国運動(FPM)がメガセンターの設置を主張したのは、「現国会の任期延長を強行し、現在の一定の枠組みの中で、次期大統領を選出するようにすること」ことが目的であったという。

大統領選挙は10月に実施されることになっている。

しかしFPMは、メガセンター設立の呼びかけは、2018年の選挙以降におきた、状況の変化に対応するために行われたものだと述べている。

「2019年以降、国が著しい経済崩壊に見舞われている。交通費がかさむため有権者が地元に戻ることも困難になっているからだ」

ガソリン価格が1ガロンあたり50万レバノンポンド(330ドル)近くまで大幅に高騰した現在、センター設立は、レバノン国民に対し数十億リラの節約を可能にすると、FPMは述べている。

「さらに、メガセンターは有権者が多くの制約から解放され、参加率を上げ、選挙プロセスの正当性を促進するのに役立つ」

FPMは、投票に行くための高い出費が多くの人々の足を遠のかせることを懸念している。しかし、政治オブザーバーによると、他の政党、特にヒズボラとアマル運動は、小さな村や町で保持している影響力を弱める可能性があるため、メガセンターの構想に反対しているとのことである。

他のオブザーバーは、FPMは特定の地域でより多くの議席を獲得するチャンスを得るために、意図的に投票を遅らせようとしているのかもしれないとも述べている。

「その狙いはもっと大きいかもしれない。次の大統領選挙を混乱させるために、議会の空白を作ろうとしているのかもしれない。」と、あるオブザーバーは語る。「次の大統領選挙を混乱させるために、議会の空白を作ろうとしているのかもしれない」と述べた。「そうすれば、アウン氏は大統領として国政を動かすことができる」

議会のスンニ派を代表する未来運動ブロックのモハマド・ハジャール議員は、議会が任期延長を決定した場合は、ブロックの議員は辞職するだろうとアラブニュースに語った。

「この決定はすでになされたものであり、不可逆的である。任期延長と選挙延期は、別の話だ。我々は、国会議員選挙を予定通り行うことを主張している。ただし、予期せぬ事態が発生すれば、それは別の問題だ」

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