• ヘルツォグ（Herzog）氏は エルドアン（Erdogan）氏と儀仗兵に迎えられた
• パレスチナへの人道支援物資を載せたガザ行きの船団を2010年にイスラエル軍が攻撃した後、両国は互いの大使を撤退させた

アンカラ：イスラエルの大統領であるアイザック・ヘルツォグ（Isaac Herzog）氏は水曜日、レジェップ・タイイップ・エルドアン（Recep Tayyip Erdogan）大統領との会談に向けてトルコに到着し、こじれた関係に新しいページをめくろうと両国が動く中、過去14年間でイスラエルからトルコを訪れた初のリーダーとなった。

トルコの騎馬旗衛隊にエスコートされ、小雪がちらつき始める中、ヘルツォグ氏は首都アンカラのトルコ大統領宮殿に到着した。

2008年以来初めて楽隊がイスラエルの国家を演奏する中、ヘルツォグ氏はエルドアン氏と儀仗兵に迎えられた。

トルコとイスラエルはかつて、友好同盟国であったが、パレスチナに対するイスラエルの政策を辛辣に批評するエルドアン氏のもとで両国の関係に亀裂が入った。イスラエルはまた、エルドアン氏がガザを支配する武装グループであるハマスを容認していることに立腹している。イスラエルはハマスをテロリスト集団と見なしている。

パレスチナへの人道支援物資を載せたガザ行きの船団がイスラエルの封鎖を突破し、イスラエル軍がこれを攻撃した後、両国は2010年に互いの大使を撤退させた。この出来事により9人のトルコの活動家が命を落とす結果となった。

米国がイスラエルの大使館をエルサレムに移したことに憤ったトルコが大使を再度呼び戻して、イスラエルに同様の対抗手段で応酬させることになり、両国の関係は2018年に再度決裂した。

イスラエルとの親交関係の回復に向けた取り組みは、経済的困難に苦しむトルコが中東地域の複数の国々との関係を正常化することにより国際的孤立を終わらせようとしている中でなされるものである。

「我々には意見の対立がないわけではなく、過去数年間、イスラエルとトルコの関係にはもちろん良い時も悪い時も、それほど単純でない時もあった」とヘルツォグ氏は出発の前に述べた。「しかし、我々は両国の関係を再始動させ、注意深く慎重に、互いの国を尊重しながら築くよう試みなければならない」

イスタンブールでは、約150人の人々の集団がヘルツォグ氏の訪問に抗議し、イスラエルの大統領を「殺人者」と呼んで、反イスラエルのスローガンを唱えて幕を掲げた。

抗議者には、2010年にイスラエルの封鎖を突破したガザ行きの船団を組織した、トルコのイスラム救援グループであるIHHのメンバーも含まれていた。

和解に向けた一歩として、昨年のイスラエル国家元首就任の後、エルドアン氏はヘルツォグ氏に電話をかけた。それ以降、両者は複数回にわたって電話会議を行っている。エルドアン氏はまた、イスタンブールにおいてスパイ容疑で逮捕されたイスラエル人カップルが解放された後に、首相であるナフタリ・ベネット（Naftali Bennett）氏とも話をしている。

先週のキプロス訪問中、ヘルツォグ氏は、イスラエルのトルコとの関係修復はキプロスとの関係を犠牲にしてなされるものではないと述べ、安心感を与えた。ヘルツォグ氏は先月、ギリシャでも同様の発言をしており、イスラエルは、どちらもトルコと緊張関係にあるギリシャとキプロスとの協力を拡大し続けていくと強く主張した。

地中海東部で相当量の天然ガス鉱床が発見されたことを受けて、イスラエルのギリシャとキプロスとの関係は活発化しており、これらの国々はエネルギーに基づく協力体制を築く方法を模索している。

トルコは、イスラエルとの関係正常化への取り組みにかかわらず、パレスチナに対するトルコ政府の立場には変わりはないと述べている。

ヘルツォグ氏は、イスタンブールにあるトルコのユダヤ人コミュニティのメンバーと木曜日に面談する予定である。

AFP