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イスラエル、パレスチナ人配偶者を締め出す法律を更新

この法律のため、アラブ系市民にはヨルダン川西岸およびガザ地区からイスラエルに配偶者を呼び寄せる方法がほとんど無く、何千もの家族が影響を受けている。(AFP)
この法律のため、アラブ系市民にはヨルダン川西岸およびガザ地区からイスラエルに配偶者を呼び寄せる方法がほとんど無く、何千もの家族が影響を受けている。(AFP)
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12 Mar 2022 12:03:44 GMT9
12 Mar 2022 12:03:44 GMT9
  • イスラエルは、パレスチナ人の蜂起の際に初めて制定された同法律は、安全保障のために必要なものだとしている

エルサレム:イスラエル議会は、イスラエル国民がヨルダン川西岸とガザ地区出身のパレスチナ人配偶者に市民権や居住権を与えることを禁じる、2003年に暫定的に導入された法律を更新した。

イスラエルは、パレスチナ人の蜂起の際に初めて制定された同法律は、安全保障のために必要なものだとしているが、批判者たちは、イスラエルにおけるユダヤ人の多数性維持を目的とした人種差別的な措置とみなしている。この法律はパレスチナ人を対象としており、ヨルダン川西岸に住むユダヤ人入植者はすでにイスラエルの市民権を持っているため、適用対象とはなっていない。

イスラエル国会(クネセト)は昨年夏、連立政権の左派・アラブ系議員の支持を得られず、同法の更新に失敗している。ベンヤミン・ネタニヤフ元首相が率いる野党はこの法律を支持しているが、政府へのいやがらせのため投票を拒否した。

アイエレット・シャクド内相は強硬なナショナリストで、この法律が国会で滞っていた数カ月の間、対象となる家族が合流できないよう措置を講じるとともに、法律の更新を求めるキャンペーンを展開した。シャクド内相や他の政府関係者は、この法律がイスラエルの多数派であるユダヤ人を守ることが目的の一つであることを認めている。

同法律は11日遅く、野党の助けを借りて可決された。左派政党の「メレツ」と、昨年連立政権に加わって歴史的な政権交代に影響力を発揮したアラブ政党「統一アラブリスト」は欠席した。

シャクド内相は、法律の可決は「ユダヤ人の民主主義国家 」の勝利であり、「すべての市民のための国家」の敗北であるとツイートした。後者の言葉は、イスラエルの少数派アラブ人が平等への願いを表現する時によく使うものである。
アラブ系のアイマン・オーデ議員は、内相の上記発言をリツイートし、更新を「アパルトヘイト国家の勝利」だと呼んだ。

更新された法律の影響を主に受けているのは、ヨルダン川西岸およびガザ地区のパレスチナ人を家族に持つ、イスラエルの人口950万人の20%を占めるアラブ系少数民族だ。彼らは選挙権を含む市民権を持ち、様々な分野で受け入れられ影響力を持つようになったが、依然として広範な差別に直面している。

イスラエルの「市民権およびイスラエル入国法」は、パレスチナ人勢力がイスラエル国内で死傷者を伴う攻撃を多数行った第2次インティファーダ(蜂起)の最中の2003年に一時的な措置として制定されたものである。制定推進派は、ヨルダン川西岸およびガザ地区の占領地出身のパレスチナ人は武装集団に勧誘されやすく、安全審査だけでは不十分なためだと主張していた。

同法律は、2005年に蜂起が収束して攻撃の回数が激減した後も、更新され続けている。現在、イスラエルはヨルダン川西岸地区から10万人以上のパレスチナ人労働者を定期的に受け入れている。

この法律のため、アラブ系市民にはヨルダン川西岸およびガザ地区からイスラエルに配偶者を呼び寄せる方法がほとんど無く、何千もの家族が影響を受けている。

一方、1967年の戦争でイスラエルが占領し、パレスチナ人が将来の国家建設に望んでいるヨルダン川西岸地区に住む約50万人のユダヤ人入植者には、この法律は適用されない。

イスラエルの「帰還法」の下では、世界のどこからであれイスラエルに来たユダヤ人には市民権を得る資格が与えられている。

AP

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