• 大規模制裁でロシア政府に懲罰を与える決意が、G7の緊急会合で明確に示される予定だ

ブリュッセル：西側諸国は24日、米国のジョー・バイデン大統領が出席する予定で、1日に3つ行われる前例のないNATO、G7、EUの首脳会議の中で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対し、ウクライナ侵略の「甚大な」代償を支払うことになると警告する予定だ。

西側諸国の結束を維持することを目的とした首脳会談の慌ただしい1日は、ブリュッセルの大西洋防衛同盟の本部で始まり、現地で各国首脳はヨーロッパ東部での軍事力の強化で合意する予定だ。

ロシアが1ヵ月にわたる過酷な紛争の後に、隣国との戦争をエスカレートさせるかもしれないという予測に危機感を感じたNATO加盟30ヵ国は、生物、化学、核兵器による攻撃から防衛するための装備をキエフに送ることでも合意する予定だ。

大規模制裁でロシア政府に懲罰を与える決意が、日本を含む先進国で構成されるG7の緊急会合で明確に示される予定だ。その後、27ヵ国からなる欧州連合の首脳会議で、世界の国内総生産の半分以上を占める国々が1日で顔を合わせることになる。

「独立した主権国家を侵略するという判断は、プーチンとロシアにとって甚大な代償を伴う戦略的失敗であると理解させなければならない」と、カナダのジャスティン・トルドー首相が23日、EU議会で述べた。

国連のデータによると、ウクライナに対するロシアの攻撃では数千人が殺害され、国外に逃れた350万人以上を含め、ウクライナの人口4400万人のうちのほぼ4分の1が家を追われた。

プーチン大統領は、ロシア軍はウクライナの非武装化と「非ナチ化」のための「特別軍事作戦」を行っているのだと主張している。ウクライナと西側諸国は、プーチン大統領がいわれのない侵略戦争を始めたと主張している。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、NATOとEUの両サミットでビデオ会議による演説を行う予定だ。

ゼレンスキー大統領は、NATOに対し、ウクライナ上空に飛行禁止区域を設定するよう訴え、これは成功しなかったものの、西側のNATO加盟各国は、ロシアに対して徹底的な制裁を科し、ウクライナの防衛のために数十億ドル相当の武器や援助を提供してきた。

NATOは同盟国の東側国境での存在感を急激に高め、約4万人の部隊がバルト海から黒海に展開している。NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、首脳らはブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、スロバキアに新たに4つの戦闘部隊を配備することを議論すると述べた。

「各国首脳は、全ての領域においてNATOの態勢を強化し、NATO東部での大幅な増強で合意すると予想している。領土でも、領空でも、領海でもだ」と、事務総長は23日、サミットを前にした記者会見で語った。

米国政府は、バイデン大統領とヨーロッパの各国首脳がロシアに対する新たな制裁と既に実施している制裁を強化する措置を発表すると述べた。しかし、EUの外交官らは、新たな大規模制裁にはあまり期待していない。

EUがこれまでに実施してきた措置には、ロシア中央銀行の資産凍結などがあるが、加盟国の中には、ロシアのエネルギー輸出に大きく依存していることから、これを対象にすることを求める声に抵抗している国もある。

「大きな発表や決定があるとは見込んでいない」と、あるEUの外交官は述べた。「むしろ、現状を見定め、さらなる行動指針がどのようなものになるのか、これから先に目を向けることが中心だ」

EUの首脳らは、ロシアの燃料への依存を減らし、供給ショックを和らげようと模索する中、2日間のサミットでガスの共同購入で合意すると見込まれている。

EUはまた、今後2回の冬に、米国の液化天然ガスの追加供給を確保する協定をバイデン大統領と結ぶことも目指している。

「この戦争のヨーロッパの安全保障構造に対する影響は広範囲に及ぶだろう」と、ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は23日に述べた。「これは軍事的な観点での安全保障の話ではない。エネルギー安全保障や食料安全保障も危機に瀕しているのだ」

ロイター