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フーシ派の停戦提案は「リヤドでの協議を失敗させるためのもの」

フーシ派は昨年、戦争の停止に向けたサウジアラビアの和平イニシアチブを拒否し、マアリブ市に対する激しい攻勢を停止するよう求める国内外の声も無視した。(AFP通信)
フーシ派は昨年、戦争の停止に向けたサウジアラビアの和平イニシアチブを拒否し、マアリブ市に対する激しい攻勢を停止するよう求める国内外の声も無視した。(AFP通信)
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28 Mar 2022 04:03:06 GMT9
28 Mar 2022 04:03:06 GMT9
  • フーシ派の提案は自らがイエメン国民の唯一の代表であるかのような印象を与えるためのものだ

サイード・アル・バタティ

リヤド:イエメンの専門家らは27日、イランの支援を受けるフーシ派が行った最新の停戦提案は、リヤドで湾岸協力理事会が仲介する今週の和平協議を失敗させようとするものだと指摘した。

専門家らは加えて、フーシ派はイエメンでの恒久的な停戦を望んでいることを示すことができていないと述べた。

フーシ派最高政治評議会のマハディ・アル・マシャト議長は26日、サウジアラビアに対するミサイルと無人機による攻撃を停止し、主に中部マアリブ県で実施しているイエメン国内の軍事行動を3日間停止すると一方的に発表した。

和平合意案の一環として、フーシ派の指導者は、サウジアラビアがサヌア空港とホデイダ港の制限を解除することを交換条件に、短期的な停戦を恒久的な停戦に変更すると約束した。

しかし、イエメンの人々はフーシ派が過去に行ってきた合意破棄を挙げ、フーシ派が本当に和平を望んでいるのか疑念を表明した。

イエメン人ジャーナリストのハサン・ガレブ氏はアラブニュースに対し、「フーシ派はイエメン政府との最初の戦争以来、70以上の合意を破ってきた」と述べた。

ガレブ氏は、フーシ派の和平イニシアチブは無人機やミサイルによる攻撃を受けたサウジアラビアが実施している報復作戦を妨害することが目的だと述べた。

ガレブ氏は、停戦は今週リヤドで行われるイエメンの当事者間の協議を妨害するためのものでもあると指摘した。

ガレブ氏は、「これは策略であって和平イニシアチブではない。湾岸協力理事会がイエメンの当事者間の協議を仲介すると申し出て以来、フーシ派はあらゆる手段を使って協議を頓挫させようとしてきた。この試みが失敗すると、フーシ派は今回の提案を持ち出した」と述べた。

イエメンでの戦争は、フーシ派が権力を掌握し、アブドラッボ・マンスール・ハーディ大統領が南部アデンへの逃亡を余儀なくされた2014年末に始まった。この紛争で数万人のイエメン人が死亡し、数百万人が飢餓の瀬戸際に追いやられている。

「イエメンにおける正統性回復のための連合軍」による軍事作戦はフーシ派の進軍を鈍らせ、政府軍がアデンなど多くの県を解放するのに役立った。

フーシ派は昨年、戦争の停止に向けたサウジアラビアの和平イニシアチブを拒否し、マアリブ市に対する激しい攻勢を停止するよう求める国内外の声も無視した。

研究者で軍事アナリストのアリ・アル・ダハブ氏は、フーシ派はサウジアラビアとの直接会談を要求することを目指し、自分たちがイエメン国民の唯一の代表であるという印象を与えるような提案を考案したと指摘した。

アル・ダハブ氏はTwitterで、「フーシ派の和平イニシアチブは実のところ、戦争はサウジアラビアとイエメンの間で起こっているという虚偽の内容だ」と述べ、サウジアラビアがフーシ派のイニシアチブを受け入れることはないだろうと予測した。

アル・ダハブ氏は、「反乱を首謀するフーシ派の相手方としてイエメンの正統な政府への言及がないイニシアチブは拒否されるべきだ」と述べた。

イエメンの元副首相で大統領顧問のアブドゥルマリク・アル・メクラフィ氏など他のイエメンの政治家は、フーシ派はイエメン国民を紛争終結に向けた協議に参加する権利を持たない従者と扱っていると考えている。

アル・メクラフィ氏はTwitterで、「戦争は7年間にわたって行われているが、フーシ派はイエメンとイエメン国民に自らがもたらした大惨事の結果について気にしていない。フーシ派は自分たちの犯罪をいかに正当化するかを考えている」と述べた。

一方、マアリブ県とジャウフ県の主要な戦場ではイエメン政府軍とフーシ派による激しい戦闘が27日に発生した。

地元メディアの報道によると、政府軍は北部マアリブ県でフーシ派が発射した爆発物を仕掛けた無人機2機を撃墜した。戦闘はマアリブの南にある戦略的に重要な軍事基地ウム・リシュ周辺でも激しさを増した。また、マアリブ県のハレブ地区でも政府軍とフーシ派による戦闘が激化した。

フーシ派が和平提案を行う一方、国連のイエメン特使を務めるハンス・グルンドベルグ氏は27日、ラマダン期間中の人道的停戦を実現するため、すべての紛争当事者と直接会談を行っていると明らかにした。

グルンドベルグ氏の事務所は声明で、「国連特使はすべての当事者と協議しており、ラマダン期間中の停戦に向けた努力を続けている。国連特使は紛争の沈静化を繰り返し求めており、沈静化に向けた当事者によるすべての措置を歓迎する」と述べた。

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