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「危険な」土地、イラクに少しずつ戻る観光客

イラクの首都バグダッドの南約100キロに位置する古代都市バビロンへと続く8番目の門、イシュタル門を訪れる外国人観光客。(AFP通信)
イラクの首都バグダッドの南約100キロに位置する古代都市バビロンへと続く8番目の門、イシュタル門を訪れる外国人観光客。(AFP通信)
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28 Mar 2022 09:03:55 GMT9
28 Mar 2022 09:03:55 GMT9

ヒッラ、イラク:独裁者サダム・フセインの下でバビロンの古代遺跡に再建された青レンガのイシュタル門の前で、アメリカ人観光客がイラクでの休暇の写真撮影のポーズを取っている。

2003年の米国主導の侵攻でサダム・フセインが追放されて以来、ほとんどの外国人は戦闘服を着て銃を携帯していたが、最近では、カメラを携えた旅の先駆者たちが少しずつ現れている。

「イラクは自分の中ではトップ3に入る国です」と、バビロンを訪れたカリフォルニア出身のイリアナ・オバレ氏、50歳は述べ、数千年の歴史があるメソポタミア遺跡を見て興奮した様子だった。

「ここは文明が始まった場所なのです」と、約40ヵ国を旅してきた経験があり、情熱を持って世界を旅している同氏は述べた。「この地域がいかに重要であるかを理解している人は少なすぎると思います」

欧米のほとんどの政府は、誘拐から過激派による爆弾テロ、複数の戦争の不発弾に至るまで、危険性を指摘し、イラクの全土または一部に渡航注意情報をいまだに発出している。

しかし、異様な軍の検問所に物おじしない一部の探検家にとって、イラクは複数の世界遺産があり、徐々に世界に扉を開いている新たな注目の目的地となっている。

退職者やユーチューバーは、パッケージツアーや、バックパックを背負った個人旅行で、まだ必要最低限しか整っていないイラクの観光インフラを果敢にも利用しながら、エジプトやシリア、ヨルダンに匹敵する古代遺跡を訪れている。

バグダッドでも、過激派の拠点であった北部の都市モスルでも、長年の紛争の傷跡が残る街を散策する観光客の姿が見られる。

「イラク、バグダッドのアメリカ人」、「ドイツ人2人きりでイラクに滞在」、「バグダッドを散策、危険度はどれくらい?」といったタイトルのブログやVlogが急増している。

観光のプチブームは、イラクが1年前に数十ヵ国の国民を対象に、到着ビザを発給し始めて以降、勢いを増している。

オバレ氏は、他の14人の観光客と共に、文化、スポーツ、冒険の旅を提供する旅行代理店が企画した旅に参加できて幸せだと語った。

「最初に気付いたのは、イラクの人々の温かさ、寛大さ、そして親切さです」と同氏は述べた。「彼らは笑顔を見せて歓迎してくれ、とても礼儀正しいのです」。4000年以上の歴史を持つバビロンでは、古いレンガの間で雑草が育ち、ゴミが散乱している。最近までは、近くの基地に米国とポーランドの連合軍が駐留していた。

「誰にでも、特に米国から来る人は特に、ためらいはあると思います」と、別の観光客でニューヨーク出身の35歳のジャスティン・ゴンザレス氏は述べた。

「政府のウェブサイトを開けば、『イラクへの渡航はやめてください、危険です、誘拐されるかもしれません、暴力もしばしば発生します』という渡航勧告が出ています」

「しかし、そんなことは目にしていませんし、これからもないでしょう」

昨年、イラクは英国、フランス、米国、トルコ、ノルウェーなどから10万7000人の観光客を誘致している。観光当局のデータによると、この数字は、2020年の3万人の3倍以上だという。

観光客とは別に、何十万人もの宗教巡礼者(特にシーア派ムスリムで、大部分がイラン出身)が、毎年、バグダッドの南の巡礼都市、カルバラーとナジャフに押し寄せている。

しかし、イラクの他の地域では、「ホテルやバスを整備するためにインフラや民間投資が必要だ」と、旅行会社ビル・ウィークエンドのオーナーで、月に30人から40人の顧客を抱えるアリ・アル・マフゾウミ氏は述べた。

改善は進んでいる。

バグダッドの国立博物館は3年間の閉鎖を経て3月初めに再開し、同市の有名な書店街アル・ムタナッビーは12月に改装が行われた。

アブラハムの生誕地であるウルは、大きな話題となった2021年のローマ教皇フランシスのイラク訪問後に、より多くの欧米人観光客を呼び込んでいる。

しかし、業界の先駆けたちは、もっと多くのことを実現したいと考えており、中でも特に、アヤ・サリフ氏は、夫と共に旅行会社、サフラティを経営している。

政府は「到着ビザを認めましたが、それ以外はまだ複雑です」と、同氏は述べた。「必要な許可証はあっても、旅の半分は検問所で無駄になってしまいます」

中には、より流行の先端を行く、本物の旅行体験が好きな旅行者もいる。

「まだあまり観光地化されていない場所に行くのが好きです」と、自身のユーチューブチャンネルで7万人の登録者を持つエマ・ウィッターズ氏54歳は語った。

本当に多くの戦争と孤立を経て、「不幸で惨めな人たちだと思うかもしれません。しかし、彼らは人々や外国人に会うと、とても喜んでくれて、寛大なのです」

AFP

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