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プーチン大統領 ウクライナ東部のロシア軍増強と戦争の継続を宣言

プーチン氏は火曜日、ロシアには「他に選択肢はなかった」と述べ、侵攻はウクライナ東部の人々を保護し、「ロシア自身の安全を確保する」ことが目的であると語った。(ファイル/AFP)
プーチン氏は火曜日、ロシアには「他に選択肢はなかった」と述べ、侵攻はウクライナ東部の人々を保護し、「ロシア自身の安全を確保する」ことが目的であると語った。(ファイル/AFP)
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13 Apr 2022 11:04:43 GMT9
13 Apr 2022 11:04:43 GMT9
  • 西側当局者 ロシアはキーウを占領し、政府を転覆させ、モスクワに友好的な政権を樹立する目的で、2月24日、ウクライナへの侵攻を開始した
  • 現在、プーチン大統領の軍隊は、2014年からロシア系分離主義者とウクライナ軍が戦っているドンバス地方での大規模な攻勢に向けて準備を進めている

キーウ:ロシアは、戦争が7週目に近づいた水曜日、ウクライナにおける流血の侵攻の継続を宣言した。プーチン大統領は、大規模な撤退と大きな損失にもかかわらず、作戦は計画通りに進んでいると主張した。

首都キーウへの進撃を阻まれたロシア軍は、東部のドンバス地域に焦点を当てた。同地域ではウクライナ当局が、同国軍隊に毒物が投下されたという主張について調査中であると発表している。その物質が何であるかは明らかになっていない。西側諸国は、ロシアが化学兵器を使用した場合、すでに壊滅的な状況にある戦争が、深刻なレベルでエスカレートすることになると警告している。

西側諸国の当局者によれば、ロシアはキーウを占領し、政府を転覆させ、モスクワに友好的な政権を樹立する目的で、2月24日、ウクライナへの侵攻を開始した。それ以来6週間、地上戦は停滞し、ロシア軍は数千人の戦闘員を失った可能性があり、民間人の殺害やその他の残虐行為で非難されている。

プーチン氏は火曜日、ロシアには「他に選択肢はなかった」と述べ、侵攻はウクライナ東部の人々を保護し、「ロシア自身の安全を確保する」ことが目的であると語った。彼は、「計画が完全に完了し、目的が達成されるまで、侵攻は継続する」と誓った。

一方、水曜日には、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ヨーロッパの強固な同盟国であるポーランド、リトアニア、ラトビア、エストニアの大統領を迎える予定であった。

エストニアのアラー・カリス大統領は「ウクライナ国民への強い支持を示すためにウクライナを訪問し、親愛なる友人であるゼレンスキー大統領に会う予定だ」とツイートしている。

現在、プーチン氏の軍隊はドンバス地方での大規模な攻勢の準備を行っている。ドンバス地方では2014年からロシア系分離主義者とウクライナ軍が戦っており、ロシアは分離主義者の独立の主張を認めている。軍事戦略家によると、ロシア当局は地元の支援、兵站を支える物流経路、この地域の地形が、より大きく、より良い兵器で武装した軍に有利であり、ロシアが最終的には勝利を得る可能性があると信じているという。

ドンバスの戦略的港湾都市マリウポリでは、製鉄所を守るウクライナの連隊が、ドローンが毒物を投下したと主張した。これは、極右団体であり、現在はウクライナ軍に所属するアゾフ連隊の主張であるが、独立した検証はできていない。同連隊は、重傷者はいないとしている。

ゼレンスキー氏は、専門家が物質の正体を突き止めようとしてはいるが、「今、世界は反応しなければならない」と述べている。

ロシアと同盟関係にある分離主義者の幹部は月曜日、ロシア国営テレビで次のように述べた。「分離主義者軍は、まずすべての出口を塞いで工場を占拠すべきだ」。ゼレンスキー氏の主張は、この後になされたものである。この高官エドゥアルド・バズーリン氏は「そして、化学兵器を使用して、彼らをそこから追い出す」と語っていた。彼は火曜日、分離主義勢力がマリウポリで化学兵器を使用したことを否定した。

ウクライナ国防省のハンナ・マリャル次官は、ロシアの攻撃で数週間にわたって破壊されているマリウポリで白リン弾(はくりんだん)が使用された可能性があると述べ、当局が検証中であるとした。白リン弾は化学兵器として分類されないが、重度の火傷を引き起こす兵器である。

西側諸国の首脳は、化学兵器の使用が確認されれば、国際法に対する重大な違反になると警告した。

ジョー・バイデン大統領は初めてロシアの侵攻を「ジェノサイド」と明言し、「プーチンは、ウクライナ人という概念さえも消し去ろうとしている」と述べた。

国防総省は、ドローンに関する報告の真偽は確認できていないとしながら、ロシアが化学兵器を使用することに対する米国の懸念を改めて表明した。一方英国は、ロシアがマリウポリで、国際法で民間人への使用が禁止されている白リン弾に頼る可能性があると警告している。

ほとんどの軍隊は、目標を照らす、または煙幕を張るために白リン弾を使用する。オランダに本部を置く化学兵器禁止機関(OPCW)の元研究所長であるマーク・マイケル・ブラム氏は、密閉された空間に故意に白リン弾を発射して人々に煙を浴びせれば、化学兵器禁止条約に違反することになると指摘する。

「白リンの毒性という特性を、具体的かつ意図的に利用し始めたら、それは条約違反となる」

米国では国防省の高官が、バイデン政権はウクライナに対する別の軍事支援計画を準備しているとした。今後数日のうちに発表される予定で、おそらく総額7億5000万ドルになると述べた。この高官は、まだ公に発表されていない計画について話すことを理由に、匿名を条件に話した。

1カ月前にバイデン氏によって承認された8億ドルの軍事支援は、今週中に完了する予定である。

西側に支援された兵器によって強化されたウクライナ軍の厳しい抵抗に直面し、ロシア軍はますます都市部への砲撃に頼るようになっている。多くの市街地が廃墟となり、数千人が犠牲になった。この戦争によって、1000万人以上のウクライナ人が故郷を追われ、そのうちの3分の2近くは子どもたちである。

ウクライナのイリナ・ベレシュチュク副首相は、ロシアの攻撃を受けている都市から人々を避難させるための人道的回廊は、治安悪化のため水曜日には機能しないだろうと述べた。

南東部のザポリージャ地方ではロシア軍が避難バスを妨害し、ルガンスク地方では停戦協定を破っていると彼女は述べた。「占領軍は国際人道法の規範を無視するだけでなく、彼らの兵士をも適切にコントロールすることができていない。これらの全てが非難経路上に危険な状況を作り出している。我々は今、人道的回廊の開放を控えることを余儀なくされている」

ロシア軍がキーウ周辺の市や町から撤退したことで、多数の、明らかに虐殺された民間人が発見された。これは戦争犯罪として広く非難されることになった。

ゼレンスキー氏は、ブチャやキーウ近郊の女性や子どもに対する「非人間的な残虐行為」の証拠が、レイプの疑いも含め、次々と出てきていると述べた。

「多くの連続強姦犯でさえ、ロシア兵の残虐性にはかなわないだろう」とゼレンスキー氏は述べた。

内務省は水曜日、ロシア軍に占領されたキエフ近郊では720人以上が死亡、200人以上が行方不明と発表した。

ブチャ市のアナトリー・フェドルク市長は、「403人の遺体が発見された。現在は地雷除去機が稼働しているため、完了後犠牲者はさらに増える可能性がある」と述べた。

チェルニヒフ地方では、300人以上の村人が、占領したロシア軍によってほぼ1カ月間、学校の地下に閉じ込められていたと村人が話している。トイレや、たき火で調理するときだけ外に出ることを許されていたという

ヴァレンティナ・サローヤン氏はAP通信に対し、キーウの北140キロにあるヤヒドネで、少なくとも5人が死亡するのを目撃したと語った。村の部屋の一つでは、住民がこの試練の中で亡くなった人々の名前が書き込まれていた。名前は、18人を数えていた。

死因は判明していない。ロシア兵は、地元の墓所にある集団墓地に埋めるために、時々遺体を運び出すことを許可した。

ジュリア・スーリヤパク氏によると、ロシア軍は、ロシア国歌を歌った場合にのみ、何人かの人々が短時間で帰宅することを許可したという。別の住民、スヴィトラナ・バグタ氏は、ロシア兵が彼女の顔に銃を向け、フラスコから飲み物を飲むように命じたと語った。

ウクライナ検察庁は火曜日、北東に位置するブロヴァリー地区における事件も調査していると発表した。シェフチェンコブ村の地下室でロシア軍の犯行とみられる、射殺された市民6人の遺体が見つかったという。

検察はまた、ロシア軍がブロヴァリー地区のペレモハ村から車で去ろうとした民間人の車列に発砲、13歳の少年を含む4人が死亡した件について調査を行っている。ブチャ近郊で起きた別の攻撃では、車が発砲を受け、子ども2人を含む5人が死亡したと発表している。

プーチン氏は火曜日、ブチャの町で数百人の市民がロシア軍に殺されたというウクライナの非難を「捏造」だと、偽りの主張をした。AP通信の記者は、町とその周辺で数十人の遺体を見た。中には手を縛られ、至近距離から撃たれた遺体もあった。

AP

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