• 通貨は金曜日に1ドル＝28,000レバノンポンド（LBP）の安値を記録

ナジャ・フーサリ

ベイルート：レバノンの為替レートの突然の変動が、議会選挙を前にして人々を怒らせている。

経済学者のルイ・ホベイカ氏は、今回の混乱が 「政権与党を再選させるのではなく、変化を求めて投票する」 動機になるはずだと述べた。

ホベイカ氏はアラブニュースに対し、与党は法を制定するための時間は十分にあったのに何もしなかったと語った。

火曜日まで正教会のイースターで祝日だったこともあり、レバノンポンドは金曜日に1ドル＝28,000レバノンポンドの急落を記録した。

為替レートの混乱は市場に騒動を引き起こした。人々はソーシャルメディアで、商店主がすでに1ドル＝30,000レバノンポンドのレートに基づいて商品の価格を設定し始めていると発言したのである。

レバノン国営通信が報じたところによると、抗議者たちはタイヤを燃やして南部の高速道路を遮断し、生活環境の悪化を非難した。

国営の電力供給会社であるレバノン電力（Electricite du Liban）は木曜日、デイル・アマール（Deir Ammar）発電所が閉鎖されたと述べた。ザフラニ（Zahrani）発電所は先週閉鎖され、レバノンは燃料を積んだ船が荷揚げしてテストするまで電力供給が受けられない状態になった。

ドル建てで請求される民間発電機の契約料は上がり続けている。

両発電所は、昨年8月にレバノンとイラク間で締結された協定により、イラク産の燃料にのみ依存している。

ヨルダンから電気を、エジプトからガスを引く協定がまだ実施されていない中、レバノンは燃料を追加輸入するためのドルを確保することができない。

イラクとの協定では、レバノン電力のためにレバノンに供給される軽油は毎月1回、4万トンだけである。

この協定は9月に有効期限が切れるが、レバノン電力は「5月18日までは最低限の電力供給の安定性」を確保すると約束していた。それはつまり、5月15日の議会選挙の後までということである。

レバノンは3月からヨルダンとエジプトから電気とガスの輸入を開始する予定だったが、世界銀行がその2つの協定に融資しなかったため、実施が遅れた。

エネルギー担当大臣であるワリド・ファイヤド氏は、世界銀行からは融資延期の決定を正式に通告されていないと述べた。

ファイヤド氏は木曜日に、「我々は、世界銀行、ドロシー・シア駐レバノン米国大使、アンヌ・グリロ駐レバノンフランス大使と、常に連絡を取り合っています。融資に不可欠な段階である正式な交渉を開始できるかどうかは、米国政府と世界銀行次第です」と述べた。

米国に拠点を置くアル・フラ（Al-Hurra）テレビ局は金曜日に、国務省の報道官の発言を引用し、政府はガスと電気のプロジェクトが米国の政策に従うことを保証して潜在的な制裁の懸念に対処するために、当事者からの最終的な契約と融資条件を待っているところであると述べた。

エジプトのガスは、シーザー法で米国の制裁対象となっているシリアだけでなく、ヨルダン経由でレバノンにも供給されることになる。

ホベイカ氏は、「政治的混乱が起こり、当面の問題の解決策を見つけられなければ、当然ながら再び大混乱になります」と述べた。

また、レバノンの通貨価値など、あらゆる兆候がレバノンのさらなる悪化を示唆していると付け加えた。

「政治的に解決策を見出せず、現実に対処できていないことは明らかであり、その最たる証拠は、資本規制法案を議論するために開かれた国会で混乱が起こり標準的な取り組みすらなされなかったことです。

「議会選挙まであと3週間しかないのですから、このような議論は選挙が行われるまで延期されるべきです。それまでは混乱が広がり、通貨はさらに下落するでしょう。

「これは、与党の印象が悪くなりドルへの需要が高まるためです。与党がやっている最悪のことは、国際通貨基金を出し抜こうとしていることです。与党は改革に取り組んでいると主張していますが、状況は変わっていません。改革には法律が必要ですが、そのような法律はレバノンにまだ存在していないのです」