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米国、シリアへの援助物資輸送のための国境通行所拡大を要請

米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連常駐代表は、「“アサド政権の残虐な戦争”が11年間続いた後、1400万人が生きるために人道支援に頼り、660万人が自国内で避難生活を送っている」と述べた。(AFP/ファイル)
米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連常駐代表は、「“アサド政権の残虐な戦争”が11年間続いた後、1400万人が生きるために人道支援に頼り、660万人が自国内で避難生活を送っている」と述べた。(AFP/ファイル)
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26 May 2022 04:05:04 GMT9
26 May 2022 04:05:04 GMT9
  • 国連安全保障理事会の会合で、米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド特使は、困窮する何百万人ものシリアの人々のために団結するよう呼びかけた
  • ロシアの特使は和平プロセスの停滞を、シリア領土の「米国による占領」と、同国による資源の「略奪」のせいだと非難した

エファレム・コッセイフィ

ニューヨーク:米国は水曜日、武力紛争中の地域における人道支援活動のためのアクセスの拒否は、殺害と強制移住の悪循環を強めていると警告を発した。

米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連常駐代表は次のように述べている。「その結果は、“アサド政権の残虐な戦争”が11年間続いた後、1400万人が生きるために人道支援に頼り、660万人が自国内で避難生活を送っているシリアに見ることができる」

彼女は、シリアの人々に援助を届けることを容易にするために、既存の国境通行所の更新と拡大、新しい国境通行所の追加を呼びかけた。

「毎月、シリアの市民がアサド政権を含めた武装勢力攻撃され、殺されている」と彼女は述べた。「そして、人道的輸送隊が到達できないため、病院には負傷者を助けるための薬や物資が不足していることがほとんどだ」

彼女の発言は、今月米国が議長国を務める安全保障理事会の会合を招集した際に行われた。これは、アントニオ・グテーレス国連事務総長が武力紛争時の民間人の保護に関する報告書を発表したことを受けたものである。報告書は、シリア、イエメン、アフガニスタン、マリなどの紛争地域で人道支援が困難な状況にあることを示している。

報告書は、人道支援従事者や物資に対する攻撃に関する重大な懸念を強調している。2021年中に14の国・地域でこのような保安事件が143件記録され、93人の支援従事者の死亡につながったという。

会議前に配布されたコンセプトノートで米国ミッションは、国際人道法などの法的枠組みは、人道的アクセスや援助者の保護を促進するために必要な基盤を提供しているものの、その法的原則は無視されることが多いと記している。

トーマスグリーンフィールド氏は特にシリアに焦点を当てながら、安保理は、人道的アクセスが最も切実に必要とされる場所に道を提供する力を持っていると、国連大使たちに語りかけた。

「昨年、私たちは全会一致で、シリアにおける国連の、国境を越えた支援のマンデート(委任)を延長することを決定した」

「これは、何百万人もの人々の命を救う重要な決定であった。それは、私たちが協力したときに何ができるかの、最高の実証を示した」

国連は、今年1460万人のシリア人が人道支援を必要とすると推定している。これは、昨年より10%近い増加となる。

「だから、私たちは再び任務を更新しなければならない」とトーマスグリーンフィールド氏は語った。「そして、シリアにおける人道支援に対する需要の高まりに対応するため、支援を拡大し、国境通行所の数を増やさなければならない」

彼女は、数日中に、現在稼働している唯一の国境通行所であるバブ・アルハワを訪問する予定である。

この問題に関する安保理の議論はしばしば難航している。ロシアと中国が一貫して、すべての人道支援物資の輸送にはシリア当局の同意が必要であると主張しているためだ。

2014年にシリアへの国際援助物資の搬入が始まったとき、安保理は4つの国境通行所を承認した。2020年1月、常任理事国のロシアは拒否権を行使し、1カ所を除くすべての国境通行所の閉鎖を強行した。ロシア当局は、国際的な援助活動がシリアの主権と領土の一体性を侵害すると主張している。

ロシアのヴァシリー・ネベンジア国連常駐代表は次のように述べた。「国際テロとの戦いにおける顕著な成功にもかかわらず、シリア領土のかなりの部分を米国が不法占拠している。そのため、同国における完全な平和と安定の確立は妨げられている」

「占領地では、民間人を対象とした非人間的な生活環境の収容所が運営され続けている。荒廃と完全な無法地帯が支配している」

また彼は、「同地を占領しているアメリカの権力」がシリアの自然・農業資源を「公然と略奪」し、石油や穀物を違法に国外に密輸していると非難し、それを「世界のエネルギーと食糧危機に対処するためのアメリカ流のレシピ」と表現した。

「シリアの深刻な人道的状況と経済危機が長引いているにもかかわらず、アメリカとEUは、長く苦しんでいるシリアの人々に対して違法で一方的な制裁を適用し続けており、悲惨な結果を招いている」とネベンジア氏は付け加えた。

国境を越えた支援体制に関する現在のマンデートは、7月に期限切れとなる予定だ。

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