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ヒズボラ圧迫のためにイランへの追加制裁が必要とダレル・アイサ米下院議員が発言

パレードに参加する民兵組織ヒズボラの戦士たち。2022年5月25日、レバノンのバールベック。(AFP)
パレードに参加する民兵組織ヒズボラの戦士たち。2022年5月25日、レバノンのバールベック。(AFP)
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26 May 2022 05:05:12 GMT9
26 May 2022 05:05:12 GMT9
  • ダレル・アイサ議員は、イランを追加制裁の対象にすればレバノン情勢に対するヒズボラの支配力を弱めることができると発言した
  • カリフォルニア州選出の同議員は、レバノンは選挙結果に従い汚職と有害な影響をなくさなければならないと述べた

タレク・アリ・アフマド 

ダボス:レバノンにおけるイランの代理勢力であるヒズボラの影響力を削減するための手段として、バイデン政権はイランに対し追加制裁を実施するべきだと、世界経済フォーラムの米国代表団の一員であるダレル・アイサ米下院議員は述べた。

ヒズボラはそれ自体ではほとんど収入を得ていないにもかかわらず、イランによる手厚い援助のおかげで長い間レバノンでの自由裁量を享受していると、アイサ議員は指摘する。イランに追加制裁を加えれば、レバノン情勢に対するヒズボラの支配力を弱めることができると同議員は考えている。 

「ヒズボラに制裁を加えたいのは山々だが、この集団は自分たちではほとんど資金を稼いでいない」と、カリフォルニア州選出の共和党員であるアイサ議員は、スイスのダボスで開催中の世界経済フォーラムの傍らで水曜日にアラブニュースに対し語った。

「彼らは不釣り合いなほどに資金を持っているが、それはイランの影響力のせいだ。そう、だから銀行制裁を加えたいが、それだと結局は意味がない。イランに対する制裁を強化しない限り」

アイサ議員は、昨年11月に事実調査のためレバノンを訪れた米国議員団の一員であり、その後ジョー・バイデン大統領と議会に報告を行いレバノン支援の方法を提案した。

カリフォルニア州選出のダレル・アイサ議員。(提供写真)

イランは近隣諸国の代理民兵組織に武器と資金を援助することで自国の地政学的アジェンダを推進するという政策をとっているが、それがしばしば地域住民の安全や福祉を損なっている。

5月15日に実施されたレバノンの議会選挙はヒズボラとその同盟勢力にとっては悪い結果となったが、単に通常のビジネスに戻るのではなく選挙結果に従って前に進める必要があることを歴史は示しているとアイサ議員は語る。

「選挙結果に従って前に進めるならば、ヒズボラの不正な影響を免れた新しい議長と新しい大統領が必要だ」と、アイサ議員はアラブニュースに対して語った。

「省庁の再編、そして何より汚職をなくす決議がなされる必要がある」

「今までのところ、汚職反対を掲げて選挙運動を行った候補者や、多数派を変えるという目標を達成した候補者はいたが、汚職をなくすという目標はまだ達成されていない」

1975~1990年のレバノン内戦後に武装解除しなかった唯一の民兵組織であるヒズボラは、その陣営が128議席中62議席を得た結果、必要な数に3議席届かずレバノン議会での過半数を失った。

汚職に反対する多数の無所属候補が当選したことで、一般人の生活に対するヒズボラの支配を脱して緊急の改革を実施する貴重な機会をレバノンは得た。

2019年以降、レバノンは史上最悪の経済危機に苦しんでおり、新型コロナパンデミックによる経済的負担と国政の停滞がそれをさらに悪化させている。

レバノン国民の多くにとって我慢の限界となったのが、218人の死者と7000人の負傷者と150億ドルの物的損害を出し推定30万人が家を失った2020年8月のベイルート港爆発事故だ。

これらの危機が同時に発生した結果、国内トップレベルの医療専門家や教育者の多くを含む何千人もの若者が安全と機会を求めてレバノン国外に移住した。この頭脳流出を防止することが次期政権にとって高い優先事項になるべきだとアイサ議員は考えている。

「レバノンが非常に迅速に方向転換できるとしたら、それはこれらの人々がまだ国内にいる場合のみだ」とアイサ議員は語る。「現在、米国は支援しようとしているが、多くの人がレバノンから脱出しており、そのことが回復を阻害するだろう」

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