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クウェートのスーパーマーケット、預言者発言を巡る騒動が大きくなる中、インド製品を撤去

インドの与党幹部による預言者モハメッドに関する発言がきっかけとなって、SNS上でインド製品のボイコットが呼び掛けられたことを受け、棚からインド製品を撤去するクウェートのスーパー。(AFP通信)
インドの与党幹部による預言者モハメッドに関する発言がきっかけとなって、SNS上でインド製品のボイコットが呼び掛けられたことを受け、棚からインド製品を撤去するクウェートのスーパー。(AFP通信)
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07 Jun 2022 04:06:53 GMT9
07 Jun 2022 04:06:53 GMT9
  • モディ首相が所属する政党は、同国の少数派イスラム教徒と対立するような行動を取っているとして、たびたび非難されてきた

クウェート市:与党幹部の預言者ムハンマドに関する発言を巡り、6日、騒動が大きくなる中で、クウェートのスーパーマーケットはインド製品を棚から撤去し、イランはインド大使を呼び出したまた新たな中東の国となった。

アル・アルディヤ協同組合店の従業員は、「イスラム恐怖症」との非難を受けている発言に抗議して、インドの紅茶やその他の製品をカートに積み上げた。

サウジアラビア、カタール、中東地域のその他の国々や、影響力があるカイロのアル・アズハル大学は、インドのナレンドラ・モディ首相が所属する政党の女性広報担当者による発言を非難している。同広報は、以降停職処分となっている。

クウェート市郊外のスーパーマーケットでは、米袋や、スパイスや唐辛子の棚がビニールシートで覆われた。アラビア語で印刷された看板には次のように記載されていた。「インド製品は撤去しました」

「私たちは、クウェートのイスラム教徒として、預言者の侮辱は認めません」と、同店のナセル・アル・ムタイリCEOがAFP通信に語った。このチェーン店のある関係者は、会社全体でのボイコットが検討されていると述べた。

インド人民党の広報担当者のヌプル・シャルマ氏による預言者ムハンマドの最も若い妻との関係について述べた発言は、イスラム教徒の間で激しい怒りを巻き起こした。

先週のテレビ討論中のシャルマ氏の発言が原因で、インドのある州では衝突が発生し、彼女の逮捕を求める声が上がった。

この発言に関して、怒りは、海外のイスラム諸国にも広がっている。

インドの少数派イスラム教徒と対立するような行動を取っているとしてたびたび非難されてきたモディ首相所属の党は5日、「党の立場に反する意見」を表明したとしてシャルマ氏を停職処分にし、「全ての宗教を尊重する」と述べた。

シャルマ氏はツイッターで、自身の発言はヒンドゥー教のシヴァ神に対する「侮辱」に反論したものだったと述べた。

「私の言葉により、不快感を与えたり、誰かの宗教的感情を傷つけたりしたのであれば、私はここに無条件で発言を撤回します」と、同氏は述べた。

5日、カタールは、インドのヴェンカイアー・ナイドゥ副大統領が貿易強化のためにガス資源豊かな同湾岸国を訪問した際、「イスラム恐怖症」発言に関して、インドに謝罪するよう要求した。

イランはカタールとクウェートに続き、インド大使を呼び出し、「政府と国民」の名において抗議したと、国営通信社IRNAが5日深夜に伝えた。

イスラム教の最も重要な機関の1つであるアル・アズハル大学は、この発言は「真のテロリズム」であり、「全世界を死者が出るような危機や戦争に陥れる可能性がある」と述べた。

サウジに拠点を置くムスリム世界連盟は、この発言は「憎悪を煽り立て」かねないと述べ、一方、サウジアラビアのグランドモスク・預言者のモスク事務総局は、「悪質な行為」だと述べた。

この騒動は、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が、預言者ムハンマドの風刺画を出版する風刺雑誌の権利を擁護したことを受けて、2020年にイスラム世界全体で怒りが巻き起こったことに続くものだ。

フランス人教師のサミュエル・パティ氏は2020年10月、言論の自由に関する授業で漫画を見せた後、チェチェン難民に首を切断された。預言者の偶像崇拝はイスラム教では厳しく禁じられている。

インド政府関係者に対するさらなる批判として、湾岸諸国6ヵ国の統括機関である湾岸協力理事会は、同氏の発言を「非難し、拒絶し、糾弾」した。

バーレーンも、「イスラム教徒の感情を刺激し、宗教的憎悪を煽った」として、シャルマ氏を停職としたインド人民党の決定を歓迎した。

インド外務省の統計によると、湾岸諸国はインドの国外労働者の主要な出稼ぎ先であり、世界全体の1350万人のうち870万人を占めていると、インド外務省の数字は示している。

また、これらの国々はインドやその他の国々の農産物の大輸入国でもあり、貿易大臣によると、クウェートは食料の95%を輸入しているという。

クウェートのメディアは、食料安全保障とインフレ懸念を巡るインド政府の突然の小麦輸出禁止措置の免除を、クウェート政府がインド政府に要請したと報じている。

AFP

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