• 昨年10月に軍が権力を掌握して以来、この同じ民主化勢力が、軍最高司令官との話し合いの場に着くことを拒否してきた。民主化勢力は、まず権力を民政に移管し、デモ参加者への暴力を止め、すべての被拘束者を解放するよう求めている

カイロ：在スーダン米国大使館は10日、東アフリカのスーダンの民主化勢力指導部が、昨年のスーダン軍によるクーデター以来、初めて同国の軍最高司令官と協議したと述べた。同国を再び民主化の方向に向かわせる試みが続く中、一つの突破口になる可能性がある。

この協議は9日遅くに首都ハルツームで行われたもので、政党と民主化グループ勢力の連合体である「自由変革同盟」（Forces for the Declaration of Freedom and Change＝DFC）と、権力を握る軍事評議会が話し合いの場を持った。

米大使館の声明によると、協議では、スーダンのサウジアラビア大使館とアメリカの代表団が仲介役となり、現在のスーダンの政治的な行き詰まりの打開策について集中的に話し合われた。

声明では、「我々は、協議の参加者が、率直かつ建設的な態度で話し合いに臨んだこと、また政治的危機を解消し、平和的、公正かつ民主的なスーダンを建設する意欲を示したことに対し、謝意を表する」とつづられた。

昨年10月に軍が権力を掌握して以来、この同じ民主化勢力が、軍最高司令官との話し合いの場に着くことを拒否してきた。民主化勢力は、まず権力を民政に移管し、デモ参加者への暴力を止め、すべての被拘束者を解放するよう求めている。

「我々は、地域内で最も影響力のある2つの国々に仲介役を担ってもらい、世界が引き続き、スーダン国民と民主化勢力を支えることを望んでいる」。FDFCは声明で、サウジアラビアとアメリカに言及しつつこう述べた。

民主化勢力が“非公式”だとしたこの協議は、ハルツームにあるサウジアラビアのアリ・ビン・ハッサン・ジャファール大使の公邸で行われた。

声明によると、民主化勢力は他の市民グループと協議して、現在の政治的こう着状態を解消する方法を示したロードマップを策定し、それを国際社会に引き渡すことで同意したと述べた。

これまでFDFCは、今週初めにスーダンの国連政治派遣団、アフリカ連合、さらに東アジアの8ヵ国で構成する地域グループ「政府間開発機構」（Intergovernmental Authority in Development）の仲介で始まった軍と市民側との協議への参加を拒否していた。

FDFCは、前政権と同盟関係にあった軍支持派グループとイスラム教主義者の協議への参加を批判していた。

AP