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国連特使がイラクの内乱を警告 雇用、食糧および水をめぐり怒りの声高まる

2022年6月7日、バグダッドのイラク議会付近でデモ隊がスローガンを唱える中、警備隊が警備に当たる。(AP写真/ハディ・ミズバン)
2022年6月7日、バグダッドのイラク議会付近でデモ隊がスローガンを唱える中、警備隊が警備に当たる。(AP写真/ハディ・ミズバン)
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11 Jun 2022 03:06:30 GMT9
11 Jun 2022 03:06:30 GMT9
  • ジャニン・ヘニス・プラスハルト氏は、国益が「資源の支配という近視眼的な考慮事項のために後回しにされている」と嘆いた。

アラブニュース

ジェッダ:親イラン政党が大敗を喫した議会選挙から8ヶ月が経過し、新政権樹立が行き詰まる中、イラクでは内乱の懸念が高まっている。

政治的な膠着状態が続き、臨時政府は深刻な干ばつによる食糧危機やウクライナ戦争などの問題に対処できずにいる。

水道インフラ改善に向けた投資は中断され、失業や水不足、食料価格の高騰に対する国民の怒りは高まっている。

国連イラク担当特使のジャニン・ヘニス・プラスハルト氏は、イラクの政治指導者に「街は沸騰寸前だ」と警告し、国益が「資源の支配という近視眼的な考慮事項のために後回しにされている」と述べた。

昨年10月に行われた選挙の最大の勝者は、有力なシーア派指導者ムクタダー・アル・サドル師であった。イランの支援を受けたシーア派勢力は約3分の2の議席を失い、選挙結果に反発している。

政権樹立をめぐる争いは、アル・サドル師と彼のクルド人およびスンニ派の同盟者と、イランの支援を受けるシーア派政党とその同盟者の連合である「調整枠組み」が対峙する形となっている。その中間である無党派層を対立する両派閥がどちらかに引き込もうとする過程で、無党派層も分裂している。

センチュリー財団のサジャド・ジヤド研究員は、「これは権力争いではなく、生き残りをかけた争いだ」と言う。イラクでは以前から、新大統領と新首相の選出をめぐって対立する派閥間で長期間の政治論争が続いていたが、今回の膠着状態は過去最も長いものだという。

アル・サドル師は、イラクの次期大統領を選出するのに必要な3分の2の多数派を形成できる数の議員を組織することができていない。これは次期首相を指名し、内閣を選出する際に必要となるステップである。

アナリストによれば、イランは、2020年1月にバグダッド空港で米国の無人爆撃機による攻撃で死亡したコドス部隊のガーゼム・ソレイマニ司令官が以前その役割を担っていた、シーア派の対立派閥間の合意に向けた交渉を進めることができていない。ソレイマニ司令官の後継者がシーア派の仲介のために少なくとも3回イラクに赴いたが、突破口を開くことはできなかった。

イランは、これまでのガス供給に対する支払いが滞っているため、イラクへのガス輸出を500万立方メートル削減した。イラクのアデル・カリム電力相は先月、夏の猛暑が来る前に約17億ドルの滞納分をどのように支払うか見当もつかないと述べている。

また、2019年の抗議デモから生まれた無所属議員が、立法府において抗議者の要求を代弁するまとまった勢力になり得るという期待も失われつつある。

無所属議員の中には、脅迫を受けた経験や、命が危険にさらされた経験を話す者もいる。ある議員には、親イラン派に味方するよう数万ドルの賄賂の申し出があったという。

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