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リビアの選挙をめぐる協議、国連の仲介を受けカイロで再開

国政選挙を開けなかったことで、長年続いてきたリビアの政治的な行き詰まりは新たな展開を迎えた。昨年は統合を目指して一定の努力が見られたが、現在は対立する2つの政府が権力を主張している。(AP通信)
国政選挙を開けなかったことで、長年続いてきたリビアの政治的な行き詰まりは新たな展開を迎えた。昨年は統合を目指して一定の努力が見られたが、現在は対立する2つの政府が権力を主張している。(AP通信)
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12 Jun 2022 10:06:10 GMT9
12 Jun 2022 10:06:10 GMT9
  • 「リビアで国政選挙を可能な限り早く実現するために必要」な憲法の枠組みの制定に向けて、6月19日まで協議が継続される。

カイロ:リビアの政府関係者は日曜日、国政選挙の実現に向けた憲法上の枠組みについての3回目の協議に参加するため、エジプトの首都を再訪した。北アフリカに位置する同国は、正統性を訴えて対立する2つの政権の間で、再び政治的な行き詰まりに直面している。

カイロでの協議は、対立する武装集団の間で衝突が起きた直後に開かれた。これらの衝突は、リビアの首都トリポリの市民をパニックに陥れ、混沌として歴史をもつ同国において過去の紛争の悪夢を思い起こさせた。

リビア東部を拠点とした議員と、リビア西部の諮問機関である高等国家評議会は、国連の仲介の下で協議を開始した。2つの会議体は紛争を止めて、国政選挙の法的な根拠について合意に至るべきであるという国際的な圧力が背景にある。

リビアについての国連の特別顧問であるステファニー・ウィリアムズ氏は、カイロのホテルで開催される協議は、「リビアで国政選挙を可能な限り早く実現するために必要」な憲法の枠組みの制定に向け、6月19日まで継続されると述べた。

過去の2回の協議において、当事者は国民の権利や自由を含む憲法草案の137の条項について暫定的な合意に至ることができた。争点となっている立法権や司法権を定める条項について、引き続き議論を重ねていくとウィリアムズ氏は述べた。

憲法の枠組みをめぐる対立は、12月に計画されていた国政選挙の実現を阻んだ主な障害のひとつであった。

国政選挙を開けなかったことは、リビアでの数十年来の混乱に終止符を打つことを目指す国際的な取り組みにとって大きな痛手となり、これにより長年続いてきた政治的な行き詰まりが新たな展開を迎えた。昨年は統合を目指して一定の努力が見られたが、現在は対立する2つの政府が権力を主張している。

金曜日には対立する武装集団の間で争いが起き、夜空を砲弾が飛び交うなか、住民は避難を強いられ、女性や子供は賑やかな公園から逃げ出した。衝突の直接的な原因は明らかになっていないが、トリポリの当局は捜査を開始していると述べた。

国連の特別顧問であるウィリアムズはツイッター上で「もうたくさんです!」と述べ、衝突を非難した。ウィリアムズは紛争に関与した人々の責任を問うよう呼びかけた。

リビア駐在米国大使のリチャード・ノーランド氏は、衝突を起こした人々に制裁を課すことも辞さないとし、彼らは「リビアの人々および国際社会に対して代償を払うことになるでしょう」と述べた。

今回の衝突は、主にリビア西部を拠点とする独立した武将集団の間で、ここ数週間で起こった一連の内紛の最新の例である。同地域は、アブドゥルハミード・ドベイバ首相が率いるトリポリを拠点とする政府と緩い同盟関係にある様々な武将集団によって支配されている。

リビア東部および南部はハリファ・ハフタル司令官の勢力によって支配されている。ハフタル司令官は、議会の委任を受けたファティ・バシャガ首相が率いる対抗政権と同盟関係にある。

石油資源が豊富なリビアは、NATOの支援を受けた反政府運動により長年独裁者として君臨したムアンマル・アル・カダフィ氏が2011年に失脚し殺害されて以来、紛争に苛まれている。同国は何年もの間、リビア東部と西部に拠点を置く2つの対立する政権によって引き裂かれており、それぞれの政権は異なる武将集団や外国政府の支持を受けている。

AP

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