• レバノンと隣国イスラエルの間では、採掘をめぐる論争で緊張が高まっている

ナジア・フサリ

ベイルート：月曜日、レバノンとイスラエルの海上国境を画定するための間接交渉に参加している米国の調停役アモス・ホッホシュタイン氏が到着する数時間前、ミシェル・アウン大統領はヨアンナ・ヴロネツカ国連レバノン担当特別調整官に対し、「レバノン側は、交渉再開の提案に関して、レバノンの権利を守るという統一的立場をホッホシュタイン氏に伝える」ことを確認した。

ライン29を交渉ラインとするレバノンの提案をイスラエル側が拒否し、イスラエルによるライン1の提案とホフラインの提案をレバノン側が拒否したため、両隣国間の協議は停止した。

ヴロネツカ特別調整官は、交渉再開に貢献するという国連の意志を表明し、「アウン大統領の知恵と、レバノンの歴史上のこの重要な時期における同大統領の役割」を称賛した。

同大統領は議員団に対し、「（イスラエル）は国連安保理決議違反に国際社会が沈黙しているのをいいことに、国際法や決議に反して行動している」と語った。

また、「国境画定交渉と、エジプトとヨルダンからのガスと電力のリースの件との間の、あるいは国際通貨基金との交渉との間の関係」を否定した。

さらに、「ブロック1の採掘は、採掘会社が提示した納得できない理由により停止した」と続け、「採掘の継続を阻止するよう国際的な圧力があった」と指摘した。

同大統領は、交渉を主導するとしつつ、「合意に達したら、閣僚会議はそれを承認し、手続きに従って国会に付託しなければならないだろう。ライン29の時はそうならなかったが」と述べた。

レバノンで流れている報道によると、ホッホシュタイン氏は3月にレバノン政府に対し、カナ・ガス田全体をレバノン領有とするためにジグザグに引いたライン23に基づいて海上国境を画定するという提案を既に送っていた。

議員団はアウン大統領に対し、ライン29をイスラエルとの国境線として固定するために、ライン23を海上国境画定の交渉開始のベースとした2011年制定の法令第6433号を速やかに修正し、規則に従って国際機関に送付するよう求めた。レバノン軍の調査によると、ライン29が国境線とされた場合、1430平方キロメートルの領域が追加でレバノン領有となる。

レバノンは、イスラエルとの間の係争海域にあるカリシュ・ガス田にエナジアン社の液化天然ガス生産設備が到着したことを背景に、ホッホシュタイン氏をベイルートに招待した。

レバノンは、「地域の安定を危うくしかねないエスカレーションを防ぐために、イスラエルとの間で間接交渉を継続し、できるだけ早く海上国境を画定する」ことを望んでいる。

ジョセフ・アウン将軍は月曜日、参謀本部将校との会合において、「海上国境画定に関する軍の任務は、技術的任務の終了に伴い完了した」ことを確認し、「いかなる決定においても政治当局を支持する」と続けた。

イスラエル国防軍のアビブ・コチャビ参謀総長は日曜日、「戦争が始まったら、レバノン南部の国境の村々に炎の国境を作って、国全体を大きく破壊する」と脅迫した。

この宣言は、係争中のカリシュ・ガス田でイスラエルが採掘を開始するかもしれないという懸念から、ここ数日ヒズボラの姿勢が硬化していることを受けたものだ。

米国の調停役のレバノン到着と同じ頃、国連レバノン暫定駐留軍（UNIFIL）のアンドレア・テネンティ報道官は、日曜日にUNIFILのパトロール部隊が村民の集団により妨害されたと発表した。

テネンティ報道官は、「我々のパトロール部隊は、稀なケースを除き、常に妨害や脅迫を受けることなく任務を遂行している。我々の部隊が敵対的行為の対象となったのは今回が初めてではない」と述べた。

UNIFIL部隊にとって今年4回目となる今回の妨害は、リタニ川の南にある東部区域内の展開区域で日常的な活動を行っていたスペインのパトロール部隊を標的としたものだった。