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レバノン、アメリカの特使に新たな海上国境策定を提案―政府高官

レバノンのミシェル・アウン大統領は14日、レバノンのバアブダにある大統領官邸で、アメリカのエネルギー問題担当特使であるアモス・ホッホスタイン氏と協議を行った。(AP)
レバノンのミシェル・アウン大統領は14日、レバノンのバアブダにある大統領官邸で、アメリカのエネルギー問題担当特使であるアモス・ホッホスタイン氏と協議を行った。(AP)
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15 Jun 2022 04:06:44 GMT9
15 Jun 2022 04:06:44 GMT9
  • しかし、レバノン政府の提案には、以前は一部のみの領有を求めていた別の海域の全域を領有する主張が盛り込まれた
  • この新しい提案は、レバノン首脳とアメリカの担当特使であるアモス・ホッホスタイン氏の協議中に出された

ベイルート:レバノン政府は14日、レバノンを訪問中のアメリカの仲介人に対し、イスラエルとの海上国境取引について新たな提案を行った。イスラエルが近くガス採取を予定している海域に対する要求を控えた内容となっている。レバノン政府高官が明かした。

しかし、一連の国境交渉に詳しいこのレバノン高官は、同国政府の提案には、以前は一部のみの領有を求めていた別の海域の全域を領有する主張が盛り込まれたと述べた。

新提案は、レバノン首脳とアメリカのレバノン担当特使であるアモス・ホッホスタイン氏の協議中に出された。同氏は13日、一年前から中断しているレバノンとイスラエルとの間の交渉について間接的な交渉を再開するため、ベイルートを訪れた。

レバノン政府は、ガス生産用の船がカリシュ(Karish)ガス田海域で採取作業を始めるためイスラエルに到着したことを非難し、同海域の一部の領有を主張した。これを受け、レバノン側は先週、ホッホスタイン氏にレバノン来訪を要請していた。

ところが、前述の国境交渉に詳しいレバノン高官がAFPに語ったところによると、14日の同氏との仲介協議でレバノン首脳は、同国の領海からカリシュ海域を除外する代わりに、近くのカナ(Qana)海域全体の領有を主張したという。

「我々は、カナ海域全体の領有を望んでいる」。この高官は、海上国境問題について語る権限がないとして、匿名を条件にこう語った。

レバノンは当初、この紛争海域について、カナの一部を含む860平方キロの面積の領有を主張していた。

その後、1,430平方キロの面積を追加で要求し、同時にカリシュの一部も取り込もうとした。

この高官によると、14日の提案では、レバノンは「当初要求した860平方キロの面積を約1,200平方キロに増やすよう提案」し、カナ海域全体を取り込み、カリシュについては領有しないと主張したという。

ホッホスタイン氏は、新たな提案を引き継いでイスラエル側に提出し、次にその返答をレバノン側に伝える。

ミシェル・アウン大統領はアメリカの特使に対し、14日の協議を受けて速やかに手続きするよう求めた。

レバノンとイスラエルが最後に戦闘状態になったのは2006年。両国間に国交はなく、国連が警備する国境によって隔てられている。

両国は2020年、海上の国境をめぐる協議を再開した。しかし、レバノン側が、協議の中で国連が使用した地図に修正を加える必要があると主張し、協議はこう着状態となった。

AFP

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