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バイデン氏が中東歴訪開始 イスラエルは「最高の友人の1人」を盛大に歓迎

バイデン氏の訪問を受け、米国とイスラエルの戦略的パートナーシップに関する共同宣言「エルサレム宣言」の策定が進められるだろう、とイスラエル政府関係者は話した。(AFP)
バイデン氏の訪問を受け、米国とイスラエルの戦略的パートナーシップに関する共同宣言「エルサレム宣言」の策定が進められるだろう、とイスラエル政府関係者は話した。(AFP)
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14 Jul 2022 08:07:23 GMT9
14 Jul 2022 08:07:23 GMT9
  • 13日にイスラエルに到着したバイデン米大統領は、両国の関係は「非常に深い」と述べた
  • イスラエル滞在中、バイデン大統領は地域統合や、イランの地域での悪意ある活動に対抗する取り組みについて話し合う予定だ

アラブニュース

ドバイ:テルアビブ近郊のベングリオン空港に、大統領専用機エアフォースワンが降り立った。地上にはすでにレッドカーペットが敷かれており、イスラエル建国の6年前に生まれた米大統領の到着を、要人たちが待ち受けていた。

ジョー・バイデン氏がイスラエルを訪れるのは、これが初めてではない。バイデン氏は1973年に若手上院議員として初めてイスラエルを訪れ、ゴルダ・メイア氏と会談して以来、今回で10回目の訪問だ。バイデン氏はイスラエルの歴代首相に会ってきた。

ジョー・バイデン氏がイスラエルを訪れるのは、これが初めてではない。今回で10回目の訪問だ。(AFP)

今回は、イツハク・ヘルツォグ大統領と、年末にまた議会選挙を控えているイスラエルの暫定首相であるヤイール・ラピード氏がバイデン氏を歓迎する番だった。新型コロナウイルス感染症の予防のため、バイデン氏が身体接触を避けるようにするという米政府の指導に従い、彼らは互いの拳を突き合わせた。

しかしバイデン氏はベンヤミン・ネタニヤフ氏を特別扱いし、野党党首で元首相であるネタニヤフ氏と心のこもった握手を交わした。バイデン氏はまた、親しみを込めてイスラエルの要人らの肩に手を置いた。

歓迎のスピーチで、ラピード氏はバイデン氏に対し、次のように述べた。「あなたとイスラエルとの関係は常に個人的なものです。(バイデン大統領は)イスラエルにとって最高の友人の一人です」

同じようにヘルツォグ氏は、バイデン氏のファーストネーム「ジョセフ」を使い、聖書のヨセフのように「先見性があり、リーダーでもあります」と述べた。「(イスラエルに来たバイデン氏は)まさしく家族の一員です」とヘルツォグ氏は述べた。

返答としてバイデン氏は、両国の関係は「非常に深い」と述べた。「これから数日間、私たちには多くの議題があります。なぜなら、イスラエルと米国との関係は、互いの未来にとって重要なあらゆる問題をカバーしているからです。私たちは共通の価値観と共通のビジョンで一致団結しています」

「誇りを持って言います。イスラエルと米国との関係はかつてないほど深く、強力だと思っています。今回の訪問で、私たちの関係はさらに強化されます。私たちはイスラエルの地域への統合を進めていきます」

イランの問題、特にイランの核開発計画と、代理民兵組織を使った地域での干渉は、バイデン氏の訪問中の最重要課題だ。イスラエルにいる間だけでなく、後でサウジアラビアを訪れるときも同様だ。

ヘルツォグ氏は13日、「イランとその代理組織が繰り出す、イスラエルやその近隣諸国を脅かし、中東地域を危険にさらす安全保障上の課題」に言及した。

ラピード氏は、同氏とバイデン氏は「中東の国々との新しい安全保障・経済アーキテクチャーの構築について話し合う」だろうと述べた。これは、米国が仲介し、UAE、バーレーン、モロッコと結んだ2020年のアブラハム合意に続くものだ。

イスラエルに来たバイデン氏は「まさしく家族の一員」だ、とイツハク・ヘルツォグ大統領は述べた。(AFP)

「そして、イランの核開発計画を阻止するための強力な世界的連合を一新する必要性について議論するでしょう」と同氏は述べた。

バイデン氏の訪問を受け、米国とイスラエルの戦略的パートナーシップに関する共同宣言「エルサレム宣言」の策定が進められるだろう、とイスラエル政府関係者は話した。ある当局者は「この共同宣言は、イランとその核開発計画、地域全体への攻撃に対して非常に明確で統一された立場をとり、イランの核の脅威に対して全力を行使することを両国が約束する内容になる」と述べた。

実際に13日、バイデン氏がちょうどベングリオン空港を後にする前に、イスラエルの安全保障当局者はバイデン氏に最新兵器を見せた。イランに対抗するのに不可欠だと当局者が言う、レーザービームでドローンを撃ち落とす新システム「アイアンビーム」だ。

イスラエル政府関係者は、サウジアラビアとUAEを攻撃するためにすでに使われているイランのドローン部隊に対する警戒を強めている。イスラエル軍は今月、ヒズボラが海底ガス田に向けて発射したイラン製ドローン4機を迎撃した。

13日、イスラエル軍はバイデン氏に、すでに導入されている防衛システム「アイアンドーム」と、レーザー技術を使っている「アイアンビーム」がドローンを迎撃する映像を見せた。

イスラエル国防省の研究責任者であるダニエル・ゴールド氏は「アイアンビームは、数年以内に運用が開始され、アイアンドームと統合されて地上に設置されるでしょう」と述べた。

同氏は、この2つのシステムは互いを補完するだろうと述べた。「それらは共に稼働するでしょう。アイアンドームの頭脳であるコマンド・アンド・コントロールが、レーザーとミサイルのどちらを撃つか、リアルタイムで決定することになるでしょう」と同氏は述べた。

バイデン氏にこうした技術のプレゼンテーションをするのは、イスラエルの戦略的な動きだ。昨年9月、米国はアイアンドームのための10億ドルの予算パッケージを承認した。

13日に空港を後にしたバイデン氏が最初に行ったことは、イスラエルを外交で訪れる全ての者のもう一つの通過儀礼であるヤド・バシェム・ホロコースト記念館への訪問だった。目的は、第二次世界大戦中にナチスドイツとその協力者によって殺された600万人のユダヤ人に敬意を表することだ。

両者ともホロコースト生存者の子供であるラピード氏、ベニー・ガンツ国防相とともに、バイデン氏は、同記念館の追悼ホールで行われる永遠の炎の再点火に招かれた。

ハンガリーでナチスに捕まり、23歳のときに処刑されたユダヤ人女性レジスタンス戦士、ハンナ・セネスの詩を児童合唱団が歌った。

海兵隊員2名が、ホロコースト犠牲者の遺灰を納めた石造りの地下室に花輪を供えた。スカルキャップをかぶっていたバイデン氏は、かがんでそれを調整し、海兵隊員が敬礼して黙祷を捧げると、心臓の辺りに手を当てた。

バイデン氏は、朗詠者が追悼の祈りを唱えるのを静かに聞き、その後、ホロコースト生存者であるレナ・クイントさん(86)とジゼル・シコビッチさん(95)に挨拶した。2人の頬に挨拶のキスをしたバイデン氏は、目に涙を浮かべながら2人と言葉を交わした。「私の母なら『神はあなたを愛しています』と言うでしょう」とバイデン氏は2人に言った。

クイントさんは後で、彼女の母親と兄弟が死の収容所でどういうふうに殺されたのかをバイデン氏に話したと言った。ポーランドで生まれた彼女は、男性奴隷労働者の工場で父親と再会し、そこで男の子のふりをした。彼女の父親も殺された。クイントさんは1946年に渡米し、子供のいないユダヤ人夫婦の養子となった。

バイデン氏は、イスラエル、パレスチナの指導者との会談では2国家共存を支持し続けることを強調すると述べた。(AFP)

バイデン氏と会った後、彼女は「大統領が私を抱きしめたのを見ましたか」と言った。「彼はキスしていいか許可を求めて、彼は私の手を握り続けましたが、私たちは彼に触れないようにと言われていました」

バイデン氏は、15日にヨルダン川西岸地区でパレスチナのマフムード・アッバース大統領と会談する前に、イスラエル政府関係者と会談するため、エルサレムに2日間滞在している。

バイデン氏は、イスラエル、パレスチナの指導者との会談ではイスラエル・パレスチナ紛争の2国家解決を支持し続けることを強調すると述べた。それが「イスラエル人とパレスチナ人に等しく、自由と繁栄と民主主義が平等にある未来」を保証する最善の方法だ、と同氏は述べた。しかし同氏は、それを「近いうちに」実現するのはおそらく不可能であることを認めた。

15日にバイデン氏はテルアビブからジェッダに直行し、サルマン国王やムハンマド・ビン・サルマン皇太子、その他の湾岸諸国の指導者、エジプト・ヨルダン・イラクの政府関係者と会談する予定だ。

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