• バイデン大統領は、エジプト側のカウンターパートであるアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領との会談を、投資に関する議論を深める機会と見ている。
• エジプト首相、2021-2022年の米国からの投資額は、対2020-21年比で150億ドル増加したと発表

モハメッド・アル・シャマア

カイロ：エジプトのモスタファ・マドゥーリー首相は5月、訪問中の米国貿易代表団に対し、米国の2021-22年度の対エジプト投資額は240億ドルに上ると述べた。

首相によれば、この投資額は2020-21年度の同時期と比較し約150億ドル増加しており、投資先は主にエネルギー、石油化学、インフラ、観光、農業、工業の分野に集中している。

その際、マドゥーリー首相は米国企業に対し、エジプト政府とのパートナーシップの締結およびエネルギー分野やグリーン・プロジェクトへの投資を呼びかけた。

首相は、民間部門とのパートナーシップに関する政府の経済戦略に従って、投資を奨励するために、エジプト政府があらゆる支援と援助を提供することを約束した。

資料写真より、会議に参加するエジプトとアメリカのビジネスマン。(ツイッター：@amcham_egypt)

ジョー・バイデン米国大統領の中東訪問中（7月13日〜16日）には、リヤドでエジプト側との会談が行われる予定だ。アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領にとって、この直接会談は、米国によるエジプトへの投資拡大について議論する重要な機会となる。

エジプト人経済学者のメダット・エル・バシウニ氏によると、米国はエジプトにとって重要な戦略的パートナーであり、エジプトは米国との二国間関係や協力関係の強化を目指しているという。

エル・バシウニ氏はアラブニュースに対し、5月に米国の貿易代表団がカイロを訪問したことは、エジプトと米国の関係の強固さを反映するものであり、エネルギー、通信、インフラ分野で米国からの投資が増加する見込みであると述べた。

この貿易代表団の訪問には、多様な分野で事業を展開する40社からの代表も含まれていた。

カイロの米国商工会議所が主催したこの訪問では、エネルギー、教育、健康、廃棄物リサイクルといった分野を網羅する、クリーン・プロジェクトへの投資に関する議論が持たれた。

エル・バシウニ氏によると、パンデミックやロシア・ウクライナ戦争の影響はあるものの、エジプトは来年、特に米国からの海外投資の面で飛躍が期待される。

政府による支援や、米国を主要なパートナーとする投資プロジェクトに民間企業が参画できるようにするなど、現在エジプト政府は、海外からの投資を引き上げる道を拓くための直接的・間接的な施策に注力しているという。

エジプト・アメリカビジネス評議会のエジプト側代表であるオマール・ムハンナ氏もまた、米国からの投資額の伸びを予測しており、今月行われるエル・シーシ大統領とバイデン大統領との会談が、この投資を後押しすることになるだろうと述べている。また、エジプトが行った改革により、外国人投資家に対してより豊富な投資機会を与えていると付け加えた。

ムハンナ氏によれば、米国からの投資が現に伸びていることは、米国がエジプト市場を支持しているというポジティブな兆候である。またムハンナ氏は、11月にシャルムエルシェイクで開催されるCOP27（2022年国連気候変動会議）を踏まえて両国の協力関係はさらに強化され、今後の投資はグリーン経済に集中するだろうとの見通しを示した。