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レバノンのキリスト教政党、次期大統領への要求事項を打ち出す

自由愛国運動のジブラーン・バシール党首。(AFP)
自由愛国運動のジブラーン・バシール党首。(AFP)
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04 Aug 2022 06:08:58 GMT9
04 Aug 2022 06:08:58 GMT9
  • 一部の政界では、ミシェル・アウン大統領の娘婿で自由愛国運動党首であるジブラーン・バシール氏が次期大統領になる可能性が議論されている。
  • また、レバノン軍団党首のサミール・ジャアジャア氏かレバノン軍総司令官のジョセフ・アウン氏が次期大統領だとの見方もある。

ナジャ・ホーサリ

ベイルート: 今年末に迫る憲法上の期限を前に、レバノンの各政党は次期大統領選挙への要求を打ち出している。

レバノンの憲法によると、国会議長がそれ以前に議会を開催できなかった場合には、国会は大統領の任期満了(10月31日)の10日前に集まり、新大統領を選出しなければならない。

政界では、ミシェル・アウン大統領の娘婿で自由愛国運動党首のジブラーン・バシール議員が次期大統領になる可能性が取りざたされている。

また、レバノン軍団党首のサミール・ジャアジャア氏や、レバノン軍総司令官のジョセフ・アウン氏が次期大統領だとの見方もあれば、内戦や地域紛争、国際紛争を解決する大統領の重要性に注目し、対立し合う政党に属さない、独立したマロン派からの選出を提案する人々もいる。

スレイマン前大統領の任期終了後、レバノンでは2年以上にわたって大統領不在の状態が続いていた。ヒズボラの盟友であるアウン氏は、未来運動党首のサアド・ハリーリ氏と和解して初めて大統領に就任したが、ハリーリ氏は後にアウン大統領と彼の政治チームから背を向けられ、関わりを持ったことを後悔した。

8月3日、国内の2大キリスト教政党が次期大統領への要求事項を打ち出し、迫りくる選挙戦の難航を予感させた。

自由愛国運動は声明を発表し、憲法に従って、また最近の議会選挙に反映されたレバノン国民の政治的意思を尊重して、大統領選挙を期日通り実施すべきだと強調した。

声明で同党は、「次期大統領は、IMFとの最終合意に署名するための改革法や他の改革法の、国会での可決を加速させるべきである。それらには、公務員の銀行機密の完全解除による海外移転資金の復元、公共事業の見直しと合理化、公務員の能力開発、汚職抑制のための監督機関の活性化、自動化実施計画の策定、電子政府の実用化、リバン銀行(中央銀行)の再編、銀行部門の再構築などがある」と述べた。

一方、レバノン軍団のジャアジャア党首は記者会見で、「合意により選出される穏健な大統領」を拒否すると述べ、さらに、『3月8日同盟』からの大統領選出に全力で抵抗する」と述べた。3月8日同盟には、ヒズボラとその同盟勢力が含まれる。

レバノン軍団の議会ブロックと党中央協議会の会合後、ジャアジャア氏は次のように述べた。「現在の危機の主な要因は、国家の戦略的決断への妨害、不適切な国政運営、そして汚職である」

ジャアジャア氏は続けて、「この危機の背後にいるのは主としてヒズボラであり、彼らはレバノンの戦略的決定を妨害している。また、密輸や、自らの活動と違法な立場を隠ぺいするための国内の腐敗勢力との同盟により、不適切な国政への直接的責任を負っている」と述べた。

「大統領選挙は、救いに至る道の第一歩にならなければならない。そうでなければ、我々は最悪の事態に直面することになる」

ジャアジャア氏は、野党は政権の奪取と改革を実現できるひとりの統一候補の擁立で合意すべきだと付け加えた。

「次期大統領が抵抗の枢軸に属することになれば、我々はアラブの大いなる孤立に直面する。そのような立場が発展や再建に貢献したことは一度もない」

「与党と野党という全く異なる立場にいて、大統領候補で合意形成などできるだろうか。我々は合意型、中道型の大統領を拒否する。むしろ、この危機的状況の解決を目指す大統領選挙にすべきだ。統一政府がもたらした一致とは、皆一緒に貧しくなり、屈辱を味わうことでしかなかった。大統領選挙で同じことを繰り返すべきではない」

同氏は野党議員に対し、この問題をさらに議論し、統一候補を擁立する委員会を設置するよう呼びかけた。

ジャアジャア氏は、自分は「当然の大統領候補」だが、野党議員たちが野党統一候補の擁立で合意した場合のみ、自分の立候補は有効になると述べた。

一方、レバノンが8月4日のベイルート港爆発事故から2周年を迎える木曜日、世界銀行は報告書を発表し、次のように述べた。「レバノンは、ガバナンス、説明責任、包括性を優先事項とする、マクロ経済、金融、セクターの包括的改革プログラムを断固として採用し、効率的に実施する必要がある。改革開始が早ければ早いほど、復興に伴うレバノン国民の負担は軽くなる」

報告書はさらに、「内戦後のレバノンの財政は、政治経済上の既得権益のために国家資源を組織的に利用する道具となった。見せかけの安定をもたらし、マクロ金融システムに対する信頼を強化して預金の流入を継続させるために、債務が過剰に蓄積された。レバノンの不況は、過去30年にわたって意図的に形成されたものであり、国民への基本的サービスの提供のあり方を空洞化させている」

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