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ウクライナのジェット旅客機を「誤って」撃墜したとイランが述べる

カナダ、オンタリオ州トロントにあるトロント大学の学生寮の、イランで墜落したウクライナ旅客機の犠牲者の通夜の席で、追悼者が泣きながら言葉を述べる。(ロイター通信)
カナダ、オンタリオ州トロントにあるトロント大学の学生寮の、イランで墜落したウクライナ旅客機の犠牲者の通夜の席で、追悼者が泣きながら言葉を述べる。(ロイター通信)
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11 Jan 2020 07:01:07 GMT9
11 Jan 2020 07:01:07 GMT9

テヘラン:イランは土曜日に、イラン軍が「誤って」ウクライナのジェット旅客機を撃墜したと発表した。旅客機は今週墜落し、176名の搭乗者全員が死亡した。イランの行為だとする西側諸国の非難を、イラン政府は繰り返し否定していた。

旅客機は水曜日の午前に撃墜された。バグダッドでイランのカセム・ソレイマニ司令官を米国が空爆で殺害した報復として、米軍が駐留するイラク内の軍事基地2カ所にイランがミサイル集中砲火攻撃を浴びせた数時間後のことだった。軍事基地の攻撃による負傷者は出なかった。

国営メディアが伝えた軍の発表によれば、旅客機はイスラム革命防衛隊の「機密軍事施設」へ向かったため、「敵対目標物」に間違えられたとのことだった。イラン軍は、米国との緊張が高まるなか「最高レベルの準備態勢」にあったと述べた。

「そのような状況下で、故意にではなく人的ミスにより旅客機は撃墜されました」とイラン軍は述べた。そして謝意を示し、今後の悲劇を防ぐべく体制改善を誓った。

また、今回の旅客機撃墜に責任を負う者たちは訴追されることになると述べた。

ソレイマニ氏の殺害を受けてイラン国民が指導者たちの下に団結した後のことだっただけに、イランが墜落の責任を認めたことは、当局に対する国民感情を煽ることになりそうだ。ソレイマニ司令官は国の英雄とされており、何十万人ものイラン国民が国じゅう至るところで葬列に参加していた。

https://twitter.com/JZarif/status/1215847283381755914?s=20

しかし、墜落機の犠牲者の大多数はイラン人やイラン系カナダ人であり、イラン当局は数週間前に、ガソリン価格高騰により国内に広がった抗議運動を鎮圧したばかりだった。

イラン大統領のハサン・ロウハニ氏は、この悲劇はソレイマニ氏殺害後の米国による「脅しといじめ」のせいだとした。ロウハニ大統領は犠牲者の家族に哀悼の意を表し、「徹底的な調査」と責任者の訴追を求めた。

「悲しい日です」とイラン外相のモハンマド・ジャバド・ザリフ氏はツイートした。「米国の火遊びが引き起こした重大局面における人的ミスが、大惨事につながりました。イラン国民、すべての犠牲者のご遺族、そして関連する国々に、深い後悔と、お詫びと、哀悼の意を表します」

ウクライナ国際航空が運航するジェット旅客機ボーイング737は、イマム・ホメイニ国際空港を飛び立った直後に、テヘラン郊外に墜落した。

イランは数日間、ミサイル攻撃が墜落の原因であったことを否定していた。しかしその後、米国とカナダが機密情報を引き合いに出し、イランが地対空ミサイルで旅客機を撃墜したものと考えると述べ、結果を事件動画で裏付けた。

旅客機はウクライナ首都のキエフへ向かっていたところで、数カ国の国籍にわたる167名の乗客と9名の乗務員を乗せており、そのうちイラン人82名と、少なくともカナダ人57、ウクライナ人11名が含まれていたと当局者たちは伝える。カナダ政府はこれより前に、63名としていた同国の犠牲者数を引き下げていた。

「これはイラン政府にとって、責任を認めるという正しい措置であり、国民にもこれを認めて終結の方向へ向かわせることになります」と、カナダ西部の著名なイラン系カナダ人であるペイマン・パルセヤン氏は述べた。彼はこの事故で多くの友人を失った。

「彼らが認めようと認めまいと、いずれ調査で明らかになったことでしょう。今回認めたことで彼らは、面目を保つ機会が得られたわけです」

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